まわりには誰ひとりいなかつたから
きみの名前を呼んでみた
暗闇の彼方で
声は寂しげに木霊した
もう一度そっと呟いてみたら
すぐそばに君の気配を感じた
そっと振り向く僕に
生ぬるい夜風が頬を撫でた
連日、40度近い猛暑!
まだ当分続くという
加えてエアコン室外機の排出熱の関係で
昔のように窓や障子を開け放って
外の風に涼むというような風情も消えてしまった
縁側で蚊取り線香を置いて団扇を片手に夕涼みなんてのは
夢のまた夢だ
文明の発達が一方で、昔ながらの風情を奪っていく
もう数十年前のことだろうか?
知人の軽井沢の別荘のリフォームに行った時
夜は寒いくらいで、布団にくるまって寝た記憶が甦る
何かにつけて、「昔は良かった」が口癖になる
これも年齢な現れかな?
いろんなことがあるさ
いろんなひとに逢うさ
ぼくらの旅は果てしなく続く
知らない街で愛を見て
ふと立ち止まり
和んでみるのもいいさ
旅はまだ続く
炎天下では
あの頃を思い起こそう
帽子も被らず
ひたすら歩き続けたじゃないか
公園の水が命綱だった
木陰が救いだった
アイスキャンディーが宝石のように思えた
19の夏 ヒロシマ
陽炎に僕の未来を重ね見た
世の中の構造に疑問を抱く
全てがトップダウンの世界
もっとも大切で尊重されるべき立場のひとが
上から順番に奪われた残金を
報酬として押し付けられる
これはどう考えてもおかしいだろう
製作者、施工者あっての商品ではないか
二人て施工して、工賃が一人半ではいかんだろう
施工者側も経験した僕が思うのだから
世の中がおかしい
これではいつまで経っても不満の渦だ