高校三年生の一学期
図らずも僕はあなたと同じクラスになった
落ち武者的存在の僕を
あなたはどんな心で観ていたのだろうか?
言葉を交わすこともなく・・・
過去った一年間
卒業式後の教室で、後方に並ぶ保護者の中に
若い女性が居たことを
あなたはどう受け止めていたのだろうか?
青春の曲がり角
あなたはバスケ部のキャプテン
ポイントガードとしての
鮮やかなパス回し
溌溂としたプレーが眩しかった
僕は補欠
敗色濃厚の試合の中
唯一出場チャンスが訪れた
左45度から切り込んでのランニングシュート
一瞬静寂を感じた中で
あなたの「ナイ(ス)シュー(ト)!」
の声が体育館に響き渡った
中学三年生の夏
あなたは合奏団
顔の半分くらいもあるハーモニカ
「クシコスの郵便馬車」
軽快であざやかな演奏に聴き惚れた
僕は合唱団
課題曲は「みどり」
変声期前のソプラノ
あなたはどこかで聴いていてくれていただろうか
小学六年生の想い出