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井の中の蛙

「井の中の蛙大海を知らず」と言いますが

ひねくれて受け止めるわけではなくて

そんなに広い世界を知ろうとしなくても

身近なこじんまりとした世界で

「一隅を照らす」存在となるのも

ひとつの生き方ではなかろうかと思うのです。

この情報過多の世の中ですから、大方の人は

それなりの情報は持ち合わせています。

しかし、それが中身のある知識かどうかとなると疑問です。

ささやかながらも、ある程度のこじんまりとした世界で

ゆるやかに充実した生活を心がけるのもいいのではないでしょうか。

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posted by わたなべあきお | - | -

魂のふれあい

ゴロゴロ石の急な坂道

木蔭の中の透き通った湧き水

見上げる葉陰に見え隠れする家

登り切った丘の上

見下ろせば真っ青な入り江

此処が知夫里島 生まれ故郷

兄姉眠り 母眠る 自然の只中の墓地

祠は朽ちて土と化し

落ち葉が彼らを優しく覆う

深い緑のトンネルを歩けば

彼らの囁きと笑い声が聞こえるような

もう一度引き返し お〜い!と叫んでみる

こだまは聞こえず

優しい空に吸い込まれていく

お〜い! お〜い!

懐かしくあたたかな魂のふれあい

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いわさきちひろの世界

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百歳未満

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背景の記憶(295)

湖の干拓地 車の通らない跨線橋

独りぼっちの街灯 夢の影

わずかな時間の 待ち合わせ

言葉はいらない

ただ寄り添い 手を握る

あの遠い日の涙は

明日への希望ではなかったのか

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背景の記憶(294)

高校二年の時、進学校の得体の知れない圧力に屈して、僕は登校拒否になった。自宅は出ても学校の近くのばあちゃんの家に行くようになった。ばあちゃんは問い詰めるようなことは一言も言わず、「カルタ(花札)しょうや」と言って遊んでくれた。僕にも分かるようなイカサマだったが、僕はそれもまた嬉しかった。あの数ヶ月が無かったら、僕は出口の無い暗闇に入り込んで行ったかも知れない。

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背景の記憶(293)

小学校の遠足の二三日前

汚れたズック(布靴)をタワシで懸命に洗った。

親にあれこれと買ってくれとは言いづらい時代だった。

昭和二十年代の話。

当時は、さすがに裸足というのは無かったが

平素はゴム草履か黒い短靴を履いていた。

どこの家も総じて貧しかったから、履物にそれほどの

執着は無かった。しかし、

大人ならよそ行きの服とか一張羅とかいう言葉が

存在する時代だったから、子供にもそれなりの意識はあった。

子供なりのよそ行き感覚だったんだろう。

徐々に異性を意識し始めて、体裁を考え出したということだろう。

実のところは、そんなひとの風体など気にはしていないのだが

子供なりの自意識というか、そんな感情が芽生える時期だった

のかもしれない。

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