繁華街の人混みの中で
まるでズームアップ映像のように
君は現れた
僕は殊更レンズを覗いていたわけでもないが
まるでプロのカメラマンのシャッターチャンスのように
見事に周りはぼやけて撮られ
君だけがその中に浮かび上がっていた
顔を上げた瞬間
君はもうそこには居なくて
歩く先を追いかけてはみたが
やはりあの素敵なロングヘアーは見つからなかった
あきらめに肩を押されたと思ったら
君は僕の真後ろにいて
不思議な笑顔を向けていた
首を傾げて、腕組みをして見つめる瞳の中に
僕は吸い込まれるような衝撃を受けた
振り向けば寂しい
きみの住む故郷
若い日の涙は
明日への涙か
暗闇の彼方に
口笛か流れる
この道はいつの日にか
希望につながる
東の空に日が昇るまで
とても とても遠い旅路さ
暗闇の彼方に
口笛が流れる
この道はいつの日にか
希望につながる
心荒めば
言葉も荒む 顔も険しくなる
心穏やかなれば
言葉も穏やかになる 表情も柔らかになる
抜け出せたかな 心の嵐
きっかけは 君の優しい微笑だ
そっと包み込む思いやりだ
昨日の自分に サヨナラしよう
今日の自分を 大切にしよう
明日の自分を 君に捧げよう
人生は面白い
楽あり 苦あり
山あり 谷あり
はたまた どん底あり
千春の歌ではないけれど
力のかぎり生きてやれ
まさに 野に咲く花のように
トンネルを抜けた
長い、とても長いトンネルだった
しかし、安堵の暇はない
また次のトンネルが待っている
つかの間の陽光を浴びて
光合成を思い出そう
生まれる酸素は
僕に何をさせるのだろうか
これが僕の生き方ですから
これが僕の流儀ですから
そう簡単には変えられないのです
言いましたよね
八方美人的生き方とは
遠い昔にサヨナラしたと
原色は苦手だ
淡い色が好き
気が晴れる 落ち着く
深刻な考え事の時はモノクロの世界
黒の中に真っ黒を見つける
あのとき あなたは
鮮やかなコバルトブルーのシャツで現れた
詰襟の学生服の僕とは
見事なまでのコントラスト
「卒業」の映画に誘ったあなた
男女が逆転したようなショックを受けた
あなたの切り開く未来は眩しい
僕一人ではとても歩けそうもない
強く強く引っ張られ
軽々と抱きかかえられ
僕は青い春の夢の中で踊り
心地よい疲れの中で眠った
いよいよ崖っぷちまで追い詰められて
万事休す!・・・の段階でも
秘かに腕組みをして
じっと見つめ続ける自分がいる
まるで他人事でもあるかのように
よくよく見れば
その口元は、何かを楽しんでいるかのような
何やってんだよ!
ギブアップかい?
残った!残った!
凄まじき悲喜劇の人生劇場
一途に 一本道
馬鹿正直に 一本道
振り向かず 一本道
惑わされず 一本道
蒼空に突き抜ける
一筋の飛行機雲
角度を上げて天空までも飛んで行け
僕は沈んだ心に翼をつけて
あの飛行機雲と同化する
この苦しみは 救い
この哀しみは 希望
この寂しさは 光明
全ては対極に位置している
全てを克服した時
円弧の始点と終点が合致する
月の光と影の接点のように
眼も眩む輝きが待っている