わが家に続く坂道で
両腕をいっぱいに広げて
ヨチヨチ歩きのおまえを待つ母の姿は
すぐ傍で見ていて
羨ましいほどに…悔しいほどに…
慈愛に満ち溢れていた
俺もそうされたにちがいないのに
なぜか…おまえが羨ましかった
(十歳上の兄からの手紙)
フランス文学の大学教授になった君を
近所に住むN君が…「あんなフランスかぶれ」と
言い放ったのには、
何か特別な理由があったのだろうか?
そう考えてみれば、
僕にも似たような経験があったような…
同じ合唱団の中で、
彼が「鎌倉」の独唱のチャンスをもらった時の
僕の心