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背景の記憶(333)

    木の葉船

四人は横一列に並んで、冬の坂道をコツコツコツと歩いた。
両手の親指をジーパンのポケットにつっこみ、まるでビートルズかストーンズかのように。
昭はヘアスタイルもファッションもミックジャガーそのものだった。
裁縫が得意でジーパンも体型にピッタリにしてしまう腕前だった。
誠はスタローン似で目鼻立ちは酷似だった。
ワタベは顔も体型すらもまさに猪八戒そのものだった。
問題は僕だ…何の特徴もない…凡人極まりない…ただのプー太郎。
頬はこけ、痩せ細り、顔には不自然な長髪が辛うじて時代を象徴していた。

六畳一間のアパートには不釣り合いな、昭が持ち込んできたステレオセットで
ストーンズやディープパープルの曲を聴いた。
それぞれが目をつむりタバコをふかしながら自分の世界に入り込んでいた。
三人は三人とも個性的に見えたが、ただの未熟少年の延長だったのかも知れない。
僕も似たようなものではあったろうが、そこまでの生い立ちが彼らとは決定的に違って
いた。
でも…みんな世間に拗ね、家庭の温もりに飢えているのは共通していた。
おそらくは、僕だけがそうしたヒッピー感覚に、意識的に酔おうとしていたのかも
しれない。

四人は同じバイト仲間だった。
いわばデパートの裏方で、手動式エレベーターの操作役をしていた。
大方は大学生や浪人生で、僕たちはまさに除け者的存在だった。
後から思えばヒッピー的だったわけだが、アメリカの彼らとはまた異質で、
やはり真似事をしていただけなのかもしれない。
後から思えば、あの漂流時代こそが一個の人間の創成期だったと確信する。
黒い渦が逆巻き流転していた。その激流の中に漂う木の葉船のように僕たちは生きた。

posted by わたなべあきお | - | -

いちずに

♪そこにあるから おいかけて 
 行けば はかない 逃げ水の
 それが しあわせ あるよでなくて
 だけど 夢見る 願かける
 花のように 鳥のように
 世の中に 生まれたら いちずに
 あるがままの 生き方が
 しあわせに近い

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心の灯火

どんな名言、卓説に出合ったからと云って、それを言説だけに留め、実行実践

しなければ、ただの言葉としてしか残らない。十分の一でも、せめて半分でも

行動に移さなければ、論者にも失礼というものだろう。

もっと言えば、有名知識人の言葉よりも、市井の中の名も知れぬ強烈な実践者

にこそ僕は敬意を表し、幾分かでも肖りたい。

それは懸命に働く母子家庭の母親でもあり、両親を亡くした兄妹の兄であり、

親戚中をたらい回しにされた少年少女でもあり…

そんな生き様の中にこそ、暖かな灯火は点り、光り輝く。

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人生の交通整理

昨年から今年にかけて、家庭内環境が様変わりしてしまい、いささか戸惑いの中にいます。車は車検が通らず、結果的に廃車に、息子の車に依存している状態。近場なら「健康のためだ」と意地を張って自転車をこいだりする。遠ければ「バスもまた良いもんだ」と強がって、外国人観光客だらけの市バスでもみくちゃにされる。パソコンは壊れて再利用不能になり、埃をかぶっていたノートパソコンを引っ張り出してきて、打ち込んでいる状態。

悪いことは重なるものとよく言います。例えば電気製品があれもこれも一斉に壊れるとか・・・。大体十年を待たずに壊れるようですね。本業の住宅設備機器業界でも、部品供給不可で新品取替になるくらいですから・・・。

そういう意味からいえば、このブログもそろそろたたみ時かも知れません。

果てしないインターネット的世界とおさらばして、昔人間らしくアナログ的な生活に帰れという天のご指示かも知れません。本を読め、文字を書け、想像力を深めよ、夢の世界に生きろ・・・両手に旗を持った交通整理姿のもう一人の自分が、そんな世界へと誘導してゆく。

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品格

人の品位.品格は、その人の履き物に現れる

…らしい。

旅館や料亭の女将、

そして、クラブやバ−のママさんたちの

共通した意見らしい。

なるほど…なるほど…

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経年劣化

パソコンが壊れた。経年劣化というのだろう。

長い間、ご苦労さん、ありがとう。

所有者本人もそう呼ばれても仕方のない状況下。

そろそろ何もかも潮時かな?

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真眼

すべてを批判的に見てしまう眼は、見苦しく悲しい。

誰にだって、何事にだって、何か(ひ・と・つ)輝くものがあるはずだ。

何故、そこを見ないのか?見ようとしないのか?

常に批判的に生きようとすることが、人の上に立つ在り様とは思わない。

むしろ、どんなに「アカンタレ」でも、その人の中の光る部分を見つけるべきだ。

それが見えないのなら、

人の上に立つ資格はない。

人を導く資格はない。

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失格者

「厳しい」のではなくて、「それは単なる「怒り」です。

アナタのソレは、単なる「怒り」にすぎません。

「真の厳しさ」とは、声のトーンは静かでも、

言葉の一語一語に重みがあります。

逆に、声は大きくても荒らげているだけでは、喋っている言葉が

相手の耳に伝わりません。ましてや心には響きません。

指導者たらん者としての致命的とも言える欠陥です。

その点は、ひとに言われてどうこうというより、自らが見つけ気付き

到達しなければならない課題です。

あなたは指導者失格です。現段階に於いては・・・。

裸の王様的言動をいつまで続けるつもりなんでしょうか?

警鐘も忠告も助言も・・・あなたの耳には届きません。

ましてやその心には。

もっと素直になりなさい。

もっとまっすぐな眼を持ちなさい。

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自動説

僕は、全方位外交官主義者ではありません。

決して!

しかし、そうであることと独善的在り方とは違います。

極論的に言えば、

真の理解者が「一人」でも存在すれば、

それでいいのです。

まさにガリレオの心境です。

「それでも、地球は回っている」

「それでも、僕は存在している」

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