『「好きな人」と言われるより「大切な人」と言われたい。』
そんなことを言うひとだった。飛び抜けて次元が違うというわけでもないが、
薄っぺらな恋愛感情とは違った存在ということだろうと受け止めた。
でも、そのレベルに行くまでの過程として、「好きな人」〜もあるんじゃないの?
と僕は心の中で思ったものだ。
あれからう〜んと時を経て、僕は同じ言葉に出会った。
思い返せば、その君はまだあどけなさを残した中学生だったんだものね。
親や知人の敷いたレールを歩んできた君が味わった挫折と失望。
環境として、君とは対極にいた僕は、そんな君の未来を想像すらできなかった。