誰となく
関わる女性にいつも母を重ね見て
その想いが微妙なニュアンスで伝わって
不思議な関係は出来上がってきたのです
それは恋愛とは呼べず
また友情とも言えず
ひとくくりにできない心の渦巻きだったのです
その母性愛的ぬくもりのなかで
目を閉じ雲にでも乗ったような感覚に溺れていたから
相手はそのもどかしさに戸惑ったのでした
その微妙な時間の受け止め方の違いが
なんとも悲しく切ないノクターンとなったのです
大人の風体のなかの奇妙な幼児性
その無意識の産物を見透かし包み込むひとはいない
夏休み
長〜い四十日間だった
ラジオ体操 絵日記 蝉しぐれ
冷えた西瓜やトマト かき氷
盆踊り 糊のきいた浴衣 慣れない下駄
線香花火と大花火の対比
ランプの下での怪談
唯一つ 足りないものがある
それは 母の存在
抱かれて歩けば・・・
手を繋いで歩けば・・・
どんなに楽しい夏休みだったことだろう