僕の書いたシナリオを
何ページも飛ばして
きみは目の前にいた
そして・・・
分厚い冊子を一気に閉じてしまった
驚く僕を
きみは笑いながら見ていた
「省略、省略!」
僕には意味不明の言葉が
エコーのように響いて
頭の中を占領した
手順も階段も必要ないほど
二人の心の距離は近すぎて
大人のフリをする僕の心を
きみはあっさりと裸にしてしまった
そのスピードに戸惑って
その大胆さに驚いて・・・
それをまた面白がるきみがいて
僕はまったくお手上げさ
さびしくなんか
あなたは そこにいて ここにはいない
でも・・・
あなたは わたしの こころのなかに
そっと やさしく いてくれる
だから・・・
わたしは さびしくなんかない
もう・・・
指導者たる者〜<愛の鞭>とも言える厳しさを備えていなくてはならぬ
ということは、重々承知しているのです。
異論を唱えるというわけではなくて、僕は思うのです。
指導、叱責の根底に<慈愛><思い遣り>が必要不可欠だと・・・。
「こんなこともできないのか!」
「何遍いわせるんだ!」
「やる気があるのか!」
縮こまる精神、揺れる心、泳ぐ眼・・・
上からものを言うのは、ある意味容易いことだ。
相手と同じ目線で、なおかつインパクトを与えようと思えば
心が伴わなければ伝わらない、響かない。
そう思いませんか?
指導者たるあなたへの
僕なりの
声なき声ですよ。
「なぜ君が、お酒を覚えたいと言ったのか・・・わからない
なぜ僕の服に、君の持っていた花の染みが付いたのか・・・
君の欲しかったものは何なのか・・・
なぜそれを、虹のように遠くから見つめるのか・・・何もわからない
だから、それを僕に教えてくれないか?」
「任命状 あなたを私の恋人に任命します。
変わり者のわたしよ。
初めに謝っておくわ。
今まで、あなたを困らせたでしょ?
でもそれは、困った時のあなたの表情が大好きで
何度も見たかったからよ。
あなたと楽しい思い出をたくさん作りたかった。
あなたと会うと、夢を見てる気がするわ。
ああ、覚めたくないな・・・
幸せな夢だから・・・」
「星座は季節ごとに変わる。
でも基準点になるのは北極星ただひとつ。
きみも僕も運がいいよな。
北極星みたいな存在が心の中にいるんだから・・・」
「私の恋」