緑の野原にきみを見る
薄紫の山並みにあなたを想う
はるか遠い水平線に亡き人たちの声を聴く
故郷は僕を待ってくれているでしょうか
母の想い出のないあの地は
故郷と言えるでしょうか
目を瞑りましょう
夕日を背に菜を摘む母が見える
腰を伸ばし額の汗を拭う母が見える
坂道で両手を広げて僕を抱き寄せる母が見える
死の淵を彷徨う僕を必死に看護する母が見える
僕はあなたに何をしてあげたのでしょう
存するだけで良かったのでしょうか
さよならも言えずただ泣いてばかりいた僕
ただただ想うこと
その想いを届けること
あの時とは逆に
僕があなたを抱きしめてあげましょう