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負け残り

 もうすぐ大相撲の九州場所が始まるが、その相撲の世界に<負け残り>というのがある。詳しいことはさておいて、結びの一番の前の取り組みで、負けたけど仕方なく(これは僕の感情入り)控え力士として残る力士のことだ。しかも、負け残りの力士は次の力士へのいわゆる<力水>はつけることができない・・・と来ている。観客の前に一種の恥を晒すわけだ。

 多少意味は違うが、僕はこの言葉を浴びせられたことがある。「ナベさん、厳しい時代だね〜。だけど君はしぶとく負け残ってるね〜。」その語調の中に、やや嘲笑の匂いがする。「ははは・・・」僕は苦笑を返すしかない。彼の言う解釈からすれば、確かに負け残っているからだ。

 ここからは僕の主観だが、負け残りの力士はおそらく、さっきの負け相撲の内容を思い返し反芻し、「なにくそ!」「次こそ!」との思いを強くしているはずだ。そして必ずや次の一番、残りの勝負に全力を傾注するはずだ。

 たしかに、この混沌とした時代において、僕は負け残っているかもしれない。かと言って休場や引退を迫られているわけではない。また、自ら引退してしまうわけには行かないのだ。四十過ぎても幕下以下で相撲をとっている力士が居ると聞く。
僕は、ある面から見て、その力士を尊敬するね。周りから何と言われようが、こうと決めた自分の道を突き進む。転がされても、投げつけられても、押し倒されても、突き飛ばされても・・・。
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余命

 もう20年くらい前の話ですが、あのホーキンス博士の説によれば、我々のこの地球の命は、せいぜい持って80年ということでした。ということは、あと半世紀位で、地球は消滅するということになります。

 人間の持つ時間感覚と宇宙時間の違いと言ってしまえばそれまでですが、宇宙時間から言えば、百年、千年は、ほんの一瞬ということのようです。

 我々の孫たちは、その瞬間を生きて迎えてしまうと言うことになります。とんと現実感が沸いてはきませんが、言われてみれば…ということは、たくさんあります。※※してる場合ではない!ということくらいは思えます。

 戦争、政争、泥棒、詐欺、、何もかもがアホらしくバカらしく思えてきます。

 この大宇宙で、この瞬間瞬間に、一つまた一つと星たちが消滅していっているというわけです。

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慕情

「別れては 逢はむ逢はじぞ さだめなき


             この夕暮れや 限りなるらむ」


             拾遺集 巻六  (読み人知らず)


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詩人



「ああ、僕はもう一行の詩も書かなくなった。


            だから本当の詩人になったんだよ」


              ピエール・リシャール・ウイルム


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