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遠い世界

「あなたはいつもどこか遠くを見ている」

そう言われて我に帰る。

一人っきりの時なら未だしも、二人の時はやはりマズイ。

逆の立場になってみれば、その屈辱感は痛いほど分かる。

この性癖は何に由来するのだろう?

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posted by わたなべあきお | - | -

背景の記憶(318)

       処女性

 少々危険な領域の話なんだが、僕の青春時代を語る上では欠かせない領域なの

で、何某かの恥も覚悟の上で書き記しておこうと思う。まず自身の衝撃(感動)か

ら言えば、新婚初夜の明くる朝、ホテルベッドの真っ白いシーツの上の赤い一点を

見た時、ちょっと表現のしようのない感慨と言うか、いい意味でのショックを受け

た。

 そんな僕が数年後、まったく異質な角度からの処女性を突き付けられることにな

った。それはこのカテゴリーのどこかで書いた、引っ越しを手伝った勤めていた会

社の同じ課の女の子から、「自分の誕生日に外で逢ってください」という申し出を

受けたことだ。彼女は五つも年下で、まだ成人前のいわば妹のような存在だったの

だが、持ち前の明るさと勝気な一面が、僕を少々混乱させた。そして<外で逢う>

という言葉に含まれたものに僕の心は少々どころか大いに悩まされたのだった。

 ここで僕の心の中にある<処女性>がズンとのしかかってきたのだった。彼女は

もちろん僕の結婚も知っている。そして近い将来、彼女も結婚することだろう・・

という状況下での話である。僕が古い?男なのか、彼女が進んだ女性なのか?

青春の思い出に!という割り切りが理解できなかった。いやそれ以上に、大好きな

人に捧げたい!という女心が、受ける側の僕としては理解不能だったのだ。

 後に話せば、周りの男どもは、ラッキー!とかうらやましい!とかいうシチュエ

ーションらしいが、僕にはとんでもない重圧としてのしかかってきたのだった。

 結論から言えば、僕は彼女の誕生日祝いの食事をして、彼女からすれば屈辱的な

僕自身からすれば最後の砦を守り、その夜を終えた。具体的言葉にこそしなかった

が、「処女性を大事にしろよ」の思いを込めた結末のつもりだったのだ。もう一つ

加えれば、亡き母の天の声が、僕の精神と肉体を強烈に制御したのだった。時代の

差とは言え、母は18歳で父に嫁いだわけだが・・・。

 半年後、彼女は退職した。同時進行とか時間のずれまでは聞かなかったが、彼と

の結婚のため。送別会となった会社の新年会で彼女とデュエットした。いかにも意

味深な「青春時代」。♪青春時代の真ん中は 胸にとげ刺すことばかり・・・


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やる

できるか、できないか…ではない

やるか、やらないか…なんだ


.......................


そうなんだけどね

無鉄砲に突き進むわかけにもいかないし…

「熟慮断行」っていう言葉もあるし…

周りの空気を読みすぎるのもどうかとも思うし…

結論、やっぱり「まず、やってみよう!」になっちゃうんだよね

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三日坊主

「苦しい時の神頼み」的生き方ではダメだ。

その答えがどれだけ先になろうとも、日夜の努力を怠らないことが

天に通じる根本的あり方だ。

日夜の努力精進とは、ことが成就するまでのことを言う。

成就前に諦めてしまったら、三日坊主と言われても言い返せない。

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最下段


 ○いつも人生の最下段に自己を発見するものにのみ、

  瑞々しい生命が恵まれる。


 ○考えが定まるということは、色々なことに
  
  興味をひかれなくなったということに過ぎぬ。


            毎田 周一

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一歩一歩

同世代の人達の訃報が相次ぐ

当然と言えば当然のこと

生者必滅 会者定離

そうか僕も…しかし、まだまだ…

様々な思いが駆け巡る

それにしても、何と未成就の

ことの多いこれまでだろう

来世への宿題としてはお粗末

極まりない

気分一新!始めねばならない

積み重ねねばならない

コツコツと一歩一歩

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背景の記憶(317)

新人研修の一環として、僕たちは離島に派遣された。

たしか一週間くらいだったと思う。それぞれの新人に補佐的に先輩たちが

同行したのだが、僕担当の人は彼女だった。選別者がどれだけの密度を

察知していたかは知らないが、明らかに意図的な配属だった。

どこまでも広がる水平線・・・

二人で小舟に寝転んで見た満天の星空・・・

淡く、純粋なスタートラインだった。

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♪・・・あなたがいつか
この街離れてしまうことを
やさしい腕の中で
聞きたくはなかった
まるで昨日と同じ海に波を残して
あなたをのせた船が
小さくなってゆく

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世捨て人

嘘偽りなく言えば、僕は欲しいものは無いんだ。

一つだけ言わせてもらえるなら、「母のぬくもり」と答えたい。

二十歳のころ、叔父に言われたっけ・・・

「おまえは、世捨て人みたいな奴だな」

そうさ、その通りさ・・・反論もせずただ笑っていただけ。

僕は仮の世に生きて、仮の宿で眠っているのさ。

心惹かれるひとに出会うと・・・

この人は母の生まれ変わりじゃないのか?

と真剣に思ってしまう僕なんだ。


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自慰行為

古風に思えるが、メモ帳と鉛筆は貴重な携帯品だ。

車を運転している時など、ふと僕の頭をかすめる思いがある。

それが車の身に伝える振動のリズムにのって、だんだん韻律を帯びた表現に

成形してくると、無言の言葉として、口の中に繰り返される。そのうちに

それが独立して僕から離れ去ろうとする。その時だ、僕はメモ帳を取り出して

漸く読み取れるほどの字で書き留める。それが習慣となる。そして夜、

それらがこの場で文字化され、息吹を吹き込まれる。

細やかだが、貴重な自慰行為だ。


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時代性

誰とは言わず、それぞれの人生に「時代性」は欠かせない。

こんな時代だから…とか,あんな時代であったなら…とか、誰しも思うところだろ

う。よく、「大正時代は良かった!」という話は聞く。昭和の戦後生まれの僕でさ

え、大正ロマンとか聞き覚えがある。明治の人は気骨があったとか、耳にするけれ

ども、昭和と言えば、六十年以上もあったわけだから、戦前、戦中、戦後という区

分けをされるのも必然的なことだろう。

 自分の世代以外だと平成、令和となるととんと時代感覚は浮かび上がって来な

い。リアルというのは振り返る余裕を抹殺してしまうのだろうか。

 著名人が消えてゆく。名もなき人たちも消えてゆく。

生あるものは、必ず死ぬ。それを言い聞かせ、言い聞かせしても、

どこかで自分はまだ死なないと思っている。


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posted by わたなべあきお | - | -

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