あの時、トンネルの出口だと思った
丸く鈍い光は幻だった
砂漠の中の蜃気楼のようなものか
いくつもの曲がり角や別れ道
ほとんど勘みたいなもので歩いてきたけど
これを選択ミスと言われるのかな
でも・・・
どんなに滅入ったって立ち直れるさ
立ち直ってみせるさ
たとえ絶望の淵からでも
デパートの地下二階のエレベーターの中で
庫内灯を消してみたあの時
冷気と暗闇が体を包み
地獄を垣間見たような気になった
呼び出しのランプに救われて
僕はその階へ上がって行った
もう半世紀を超えた今でも
あの詩が空で蘇る・・・
デパートの最上階の機械室
油の臭いとエレベーターのワイヤーを巻き上げる音だけの
あの薄暗い機械室で
きみはいつも呪文のように繰り返していた
最高の塔の歌
あらゆるものに縛られた
哀れ空しい青春よ。
気むずかしさが原因で
僕は一生をふいにした。
心と心が熱し合う
時世はついに来ぬものか!
僕は自分に告げました、忘れよう
そして逢わずにいるとしよう
無上の歓喜の予約なぞ
あらずもがなよ、なくもがな。
ひたすらに行います世捨てびと
その精進を忘れまい。
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(ランボー)