背景の記憶(226)

あの時、トンネルの出口だと思った

丸く鈍い光は幻だった

砂漠の中の蜃気楼のようなものか

いくつもの曲がり角や別れ道

ほとんど勘みたいなもので歩いてきたけど

これを選択ミスと言われるのかな


でも・・・

どんなに滅入ったって立ち直れるさ

立ち直ってみせるさ

たとえ絶望の淵からでも


デパートの地下二階のエレベーターの中で

庫内灯を消してみたあの時

冷気と暗闇が体を包み

地獄を垣間見たような気になった


呼び出しのランプに救われて

僕はその階へ上がって行った

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posted by わたなべあきお | - | -

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