<< 2026/05 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

黒子

その時初めて、私は自分でも説明のつかない、何か不可思議な心の粟立ちを感じた。
それはかすかな、それとはわからないほどかすかな嫉妬であり、悲しみであり、
空しさだった。慣れているはずの感情には違いなかった。私はいつも、人生に生じる
幾多のささやかなドラマの中心人物にはなれない人間だった。よくても端役、悪ければ
黒子にすぎず、ドラマは私がいてもいなくても、滞りなく進んで終焉を迎えた。

      「欲望」【小池真理子】

……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………

まるで自分のことを言い当てられているような文章に出くわす。

芝居で言えば端役や黒子でも、僕にとっては、そこが居心地が良かったのだ。

歌で言えば、バックコーラス。旋律で言えばアルト…そんな感じ。

居直り的に考える時がある。主役も脇役あっての主役なのだ。

一人芝居でもないかぎり…。

posted by わたなべあきお | - | -

▲page top