正しいことを貫き通そうとすれば
必然的に反対者や障害が立ちはだかる
それは国家的なレベルでも
家庭的な小レベルでも同じだ
如何にして50以上に持って行くか
あるいは相手を押しやるか
物的でなく心理的闘争になれば尚更だ
ゼロか100なら、まだ事は簡単かも知れない
そうは単純なものでないところが
この浮世の妙というものだ
敵は眼前にあり、隣に潜んでいる
賑やかな街中の一角の大学の裏側に
小さな子供向けの公園があった
クラブ後のほんの10分間
僕たちはそこで話をするのが常だつた
微妙な明るさ…暗さ…
その雰囲気が好きだつた
指と指を絡めあうだけ…
掌に字にならない字をなぞる
「なに?」の想いで目を見ると
声に出さないで「好き」と唇が動いた
それから先の先なんて考えられない
おぼこい青春の一ページ
クラブの帰り道
僕はちょっとしたイタズラを思いついた
いつもは二人ならんで帰るのだが
先に出た僕は角を曲がった所で、マンションの陰に隠れた
自転車の彼女はいつもの僕がいないので
なんと猛烈な勢いで自転車をこぎ始めた
僕はそのスピードにびっくりして
次の交差点で車にでもぶつかったら大変と
走って彼女を追い始めた
彼女は大通りの手前で自転車を止めて
しきりに左右を確認していた
安心した僕は、忍び足で彼女に近づき
肩をポンと叩いた
振り向いた彼女の顔は
安心とちょっと怒ったような
複雑な表情て僕を睨み付けた
そして「もぉ~!」と言いながら
僕のおでこをつついた
謝りのつもりで、僕は彼女の自転車を押して
別れの曲がり角までゆっくり歩いた
彼女の想いの確信が、僕の胸の中で踊った
わずか数分間の愛のたわむれ
『人事を尽くして、天命を待つ』
何もしなくて、ただ天の助けを乞うようでは、虫のいい話だ。
可能な限り最善を尽くそう。
まさしく『金は天下の回り持ち』
現実の事象の中に、多くの天意を感じる。
殊更、この境遇に於いては。
「苦労を楽しむ」
あの青春時代の再来と受け止めよう。
ひとの心を見つめ続ける…
好きな誰かを想い続ける…
暗黙の境界線が暴走を制御する
憧れ 思慕 慈愛…
ことば表現は何であれ
ひとの心は制御できない
逢えない時間が愛 育てるのさ…
目を瞑れば 君がいる…
がんじがらめの世評を避けて
心は大空を滑空する
此処なら誰にも邪魔されないさ
此処なら自由に語り合えるさ
やはり、僕の持論のテレパシーの世界が浮き上がる
素晴らしきかな 心の滑空
高校三年生の一学期
図らずも僕はあなたと同じクラスになった
落ち武者的存在の僕を
あなたはどんな心で観ていたのだろうか?
言葉を交わすこともなく・・・
過去った一年間
卒業式後の教室で、後方に並ぶ保護者の中に
若い女性が居たことを
あなたはどう受け止めていたのだろうか?
青春の曲がり角
あなたはバスケ部のキャプテン
ポイントガードとしての
鮮やかなパス回し
溌溂としたプレーが眩しかった
僕は補欠
敗色濃厚の試合の中
唯一出場チャンスが訪れた
左45度から切り込んでのランニングシュート
一瞬静寂を感じた中で
あなたの「ナイ(ス)シュー(ト)!」
の声が体育館に響き渡った
中学三年生の夏
あなたは合奏団
顔の半分くらいもあるハーモニカ
「クシコスの郵便馬車」
軽快であざやかな演奏に聴き惚れた
僕は合唱団
課題曲は「みどり」
変声期前のソプラノ
あなたはどこかで聴いていてくれていただろうか
小学六年生の想い出