愛のたわむれ

クラブの帰り道

僕はちょっとしたイタズラを思いついた

いつもは二人ならんで帰るのだが

先に出た僕は角を曲がった所で、マンションの陰に隠れた

自転車の彼女はいつもの僕がいないので

なんと猛烈な勢いで自転車をこぎ始めた

僕はそのスピードにびっくりして

次の交差点で車にでもぶつかったら大変と

走って彼女を追い始めた

彼女は大通りの手前で自転車を止めて

しきりに左右を確認していた

安心した僕は、忍び足で彼女に近づき

肩をポンと叩いた

振り向いた彼女の顔は

安心とちょっと怒ったような

複雑な表情て僕を睨み付けた

そして「もぉ~!」と言いながら

僕のおでこをつついた

謝りのつもりで、僕は彼女の自転車を押して

別れの曲がり角までゆっくり歩いた

彼女の想いの確信が、僕の胸の中で踊った

わずか数分間の愛のたわむれ 
FB_IMG_1690176149870.jpg

posted by わたなべあきお | comments (0) | trackbacks (0)

コメント

コメントフォーム

トラックバック


▲page top