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背景の記憶(85)

 「頑張れ!」の声に

「東京の人も不幸になったら、そこから一緒に頑張る・・・」日本桜草22.4.21.jpg

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よい貧乏

 地震と津波は多くを奪ったし、もろい原発がそれに輪をかけた。その結果、これまでの生活の方針、社会の原理、産業の目標がすべて変わった。多くの被災者とともに、電気の足りない国で放射能に脅えながら暮らす、つまり、我々は貧しくなるのだ。よき貧しさを構築するのが、これからの課題となる。
 
 これまで我々はあまりに多くを作り買い飽きて捨ててきた。そうしないと経済は回らないと言われてきた。これからは別のモデルを探さなければならない。被災地を見て要所要所に賢者はいると思った。若い人たちもよく働いている。十年後、この国はよい貧しさを実現しているかもしれない。

                    池澤 夏樹木瓜23.4.13?.jpg

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時間論

 宇宙には一定の運動の後に、物体をもとへ戻す力が働いている。これが時間である。未来の極致と過去の極致とは、人間に見えないところで連なっているのだ。
 世界の根源的な時間の形式は円環である。世界は始めなく、終わりがない。始めがなく終わりがないということは両端がないということであり、両端がない唯一の合理的な形は円環である。
 時間が直線的であるならば過去がふえて、未来が減じつつあることになる。しかし、円環であるから過去も未来も増減しておらず、時間の絶対量は不変である。
 時間において未来は先にゆけばゆくほど不鮮明になり、過去は遠ざかれば遠ざかるほど消失してくるのは、円をなして未来も過去も人間の現在的視点より埋没しているからにほかならない。だが、明日の無限の延長と昨日の無限の延長とは人間の現在点と対極をなすところで連なっている。
 時間は客観的には停止することのない前方への流れ(時間の不可逆性)であり、それは大きな円環を描いてわれの背後にある時間の流れ(時間の回帰性)のなかへ音もなく注ぎこんでいる。
 循環時間にあっては、未来はやがて過去になり、過去はやがて現在になる。あたかも現在が未来になりつつあるように。
 日の出は日没の原因であると同時に、日の出は日没の結果である。
 それゆえ、宇宙は回帰性をもち、したがって宇宙に起こる諸現象はすべて回帰性をもつのだ。一見非循環的現象であると思われるものでも、周期の長い大きな輪であることが分かる。
 宇宙の連動、したがってその一部である生は終局なき円、もしくはそれに類する形であらわされ得る。

                       山縣三千雄 「人間」向日市公園の桜23.4.10.jpg

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Happy birthday

今日は誕生日だね

ささやかなプレゼントは

いちごシュークリーム

「僕が選んだ〜って言うといてや」

と兄が言う

(お金出したのは僕ですが・・・)加茂川の桜23.4.7.jpg


桜が綺麗だね・・・

がんばろう!

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寂しいだろう

娘の代わりに

食後の食器を洗う

当然とは言え

一人前足らない

そんなことにさえ

寂しさを覚える

夕方六時に独りで食べる

彼女の方が

もっと寂しいだろうに・・・大徳寺23.4.8.jpg

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大丈夫さ・・・

日中の春の日射しは眩しく

ここ数日の陽気で

あちこちの桜も一気に開花し始めた。


でも

夕暮れ時のビルの谷間を抜ける風は冷たく

コートを忘れたことが悔やまれるくらいだ。病院から?.jpg

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優先

ひとつ事に集中する

専念するということは

何かを棄てなくてはならない

後回しにせざるを得ない



優先順位に

その人の人格が現れる

品位が窺える



花韮23.4.1?.jpg

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舞台裏

舞台裏の会話は

すべて察しがつくさ

そのままストレートに言った方が

気が楽だと思うんだけどね病室より23.4.4.jpg

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スローライフ

「そんなに急いで何処へ行く」は

もはや、交通標語ではないな

ほんとに

この人生、そんなに急いで

何処へ行くんだい



スローライフが

当たり前の世の中に雪柳23.4.3?.jpg

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五階の病室から見る東山連峰

この高さまで津波が来たのかと思うと

ゾッとする病院から....jpg

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