ふと…口ずさむ歌がある
人間の幸せ感は
そんなところに宿る
♪寒い夜ふけは お酒を買って
たまのおごりと はしゃぐ姿に
きめた きめた
おまえとみちずれに…
「時」はその間も確実に流れ往き、過ぎ去っていきます。その流れを痛切に思い知らせてくれるのは、親しかった人、愛した人、愛してくれた人々の他界でした。その人たちの死を見送るたび、いつでも愕然として、過ぎ行く時と人の命について考えずにはいられません。
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はかないと言う字を儚い、人の夢と考えた人は何という詩人でしょう。儚い人生であるが故に人は時の永遠性に憧れ、夢を紡ぐのだと思います。
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瀬戸内寂聴
浦島太郎の「玉手箱」の中味は「時間」であった。
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高級な動物は自分の老いを悟り、次のリーダーに地位を譲って、群れから離れて行ったりするが、それでも自分の一生についてことさら考えたり、ましてそんな状況をもたらした時の流れについて考えたりはしない。
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今より先の時間のことを未来とも将来とも呼ぶが、二つの言葉の意味合いは違っていて、未来はただの未来だが「将来」には人間の願いや期待を含めてのいろいろな意思が被せられています。
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「時間」はいわば「存在」を証しだてる影のようなものです。人間の存在、私たちの人生は限られているからこそ、つまり自分の在り方について意識するからこそ、人間は時を強く意識し時間について考えるのでしょう。
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石原慎太郎