人生はそう簡単には括れない。
すべて、人が通りすぎてきたことは必然だったと考えるしかない。
私自身が通りすぎてきた過去が、どうあがいても避けることのできない
必然のからくりの中にあったのと同じように。
【小池真理子「沈黙のひと」】
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タイムスリップして、過去のあの一瞬に帰れたとしても
それから先すべてを変更することはできないはずだ。
何事も起こるべくして起こった必然事だったのだ。
変えられるとしたら、これから先の未来だ。
逆転サヨナラ満塁ホームランなんて夢見ないで
僕はデッドボールを選択する自分が見える。
鮮やかな身のこなしで、投手も捕手も、そして
アンパイヤまでも騙して…
♪僕は呼びかけはしない
遠く過ぎ去るものに
僕は呼びかけはしない
かたわらを行くものさえ
見るがいい黒い水が
抱き込むように流れてく
少女よ泣くのはお止め
風も木も川も土も
みんなみんな
たわむれの口笛を吹く
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十七歳の春
手作りの詩集の中で呟いた
父よさらば
可哀想な継母よさらば
兄よ姉よ
そして幼い義弟よさらば
僕は亡き母の懐に帰ります
一筋の流れ星になって
飛んでゆけ
辿り着けるか
この果てしなき旅路
なんとも稚拙な殴り書き
叔父をして
「おまえは世捨て人か」
と言わしめた彷徨の青春時代の序曲
あの絶望と一筋の閃光があったればこそ
今の自分がいる