・・・・・いつごろだったかわからないけれど、ある日、「ほぼ日」のホームの
ページのイントロ画像に、「Only is not Lonely」という言葉が記された。
「ひとりでいることは、孤独ではない」という日本後になるかとも思うがそんな感じでいい。英語の苦手な僕が考えた言葉なので、何人かの人には「英語的には、おかしいけど」と言われた。その後も、いろんな英語を話す人に聞いてみたが、「詩のように語っているのだから、これでいい」という英語ネイティブな人もいたりして、なんとなく僕も「これでいい」と判断してしまった。
この言葉が生まれたときのことは、よく憶えている。夜中に、明日の「ほぼ日」
のための原稿を書いている。午前3時とかだから、ほとんどの人はねているはずだ。しかし、インターネットがつながった時代になってからは、どこかのだれかは
起きていて、いまのじぶんのように、「ひとりなにかやっている」ということも
知れた。「おれもひとり。おまえも、ひとり。おーい起きてるか」と呼びかけたら
世界中のあちこちの「ひとり」から「おーい」「おーい」と声が返ってくると
信じられた。ひとりって、ほんとは、ひとりでないじゃんっ」その実感が押し
よせてきて、涙が出そうだった。たったひとりは、けっして、ひとりぼっち
ではない。Onlyであることは、Lonelyじゃないんだと思えた。
「ほぼ日」は、そういうことが実感できる婆所にしよう。そう考えて
「Only is not Lonely」と言うことにした。
眠れなくても、てはつなげる。
なかまであることを確かめあわなくても、なかまになれる。
ちがうなと思うときには、その手をそっと離せばいい。
むりやりずっとつながっているより、点滅してればいい。
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糸井重里 「「ほぼ日」