終業のチャイムが鳴ったのは、 アルバイトの僕が、丁度車の車庫入れを終えた時だった。 そして、君も作業を終えて作業場から出てきた。 僕には気づかず、ちょっと背伸びをしてから、 後ろに束ねていた長い髪をほどいた。 さらさらの黒髪が、肩に扇のように広がった。 やがて気配を感じて振り向いた君は、 これまでになく大人びて見えて、 僕はハッと息をのんだ。
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