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うしろ姿

「魔がさしたんだな」
憲太郎は、そうつぶやき、フンザで撮った写真のなかの、山羊の群れと一緒に歩いて行く自分のうしろ姿を見つめた。この一枚の写真には、自分という人間のすべてが写っているように思えてきた。自分の過去と現在の、ありとあらゆる様相が、自分のうしろ姿に閉じ込められている、と。
 もしそうなら、未来を暗示させるのも、どこかにひそんでいるはずだ。憲太郎は、その気配をみつけようと、長いこと写真に見入った。


 憲太郎は、どうも日本の親子関係というのは、本来の日本人のやり方とは合わないのではないかと思った。子どもの個性とか自由とかを尊重するというのを大義名分として、わずらわしさから逃避しているのではないのか。親子に葛藤があるのは当然なのに、それを避けて、いかにも、物分りのいい、干渉しない父や母を演じようとしている。

                  草原の椅子(宮本  輝)

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メーデー

『団結せよ!万国の労働者』

スローガンは、如何に響くか?

原点回帰

一握りの富裕者より

万民のやすらぎ

みんな多くを望むわけがない

普通の暮らし

和みの世界
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眠れぬ夜

自分のことで 眠れないなら

仕方がない 自業自得だから

せめて

病に伏せる あなたのことで

職場で悩む きみのことで

眠れない今宵でありたい23.10.3.jpg

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