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     雨に濡れて。

     独り。

     石がゐる。

     億年を蔵して。

     にぶいひかりの。

     もやのなかに。

         (草野 心平)



読点が醸し出す<妙><奥深さ>

実家に立ち寄ったとき、玄関にこの詩の額が掲げられていた。

力強く、どこか寂しく・・・父らしい筆遣いの詩だった。

その時、僕は中学一年の国語の授業のとき

「わたなべ、読んでみろ」と言われて読んだ

同じく草野新平の詩を思い出す。

「瑞々しい欅の若葉を透いた光が・・・」

辛口の先生が、その時言ってくれた・・・

「なんとも<間>がいいな。五重丸だ!」

「放送部のアナウンサー担当だもんな」

僕は心の中で、大きく両の手を突き上げた。

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プチ

プチ断食をやりましょう

プチ断酒をやりましょう

胃袋さん、お大事に

肝臓さん、お大事に



心のおやすみが思いつかない

熟睡かな


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声なき声

死者はむしろ雄弁だ

この世に生きる人たちよりも


母は誰にも増して

僕にブレーキをかけたし

精一杯の応援もしてくれた

おかげで僕は

極端に曲がった道は歩かなかったし

少々の無理はしても無茶はしなかった


もっとも皮肉的だったのは

母が男女の仲に割り込んできたことだろう

結果として受け止めれば

母の言葉が正しかった

そしてその時

確かに僕は母の声を聴いたのだった

まったく親心というものは

言葉には尽くせない

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ピエロ

寂しさや悲しみを隠して

僕はいつも笑っていた

ちょっと小首を傾げて



そんな仕草に

誰よりもはやく気づいたのは

たしかに君だったのだが

見透かされたということが

恥ずかしくて

僕は変に強がって見せたのだった



それさえも見破られて

いつの間にか僕は

君の温かくやわらかな胸の中に

引き込まれていった26.5.5-1.jpg

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青春の光と影

僕たちは、幼子たちがするように

わめきちらし、わきまえもなく背中をむけた

俯いたままの速足の靴音に

自分の愚かさが重なって、耳に鋭く響いた



幾年もの間、悔いて悔いて

すれ違いばかりの青春の交差点

ともに向かう青春の光は

僕たちには、ただ薄暗い夕暮れの街灯のようだった26.5.3-5.jpg

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緑はいつも瑞々しい

中でも新緑は清々しく

僕の心を洗う


この季節に

リフレッシュして

再スタートを切ろう

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初恋

どうしても伝えておきたくて

追いかけてみたけれど

そこには大きな溝があり

飛び越えさせない強さがあった

だからこのまま踵を返し

独りの部屋に閉じこもる

こどものようなあどけない笑顔

いつまでも一生抱えて

手を繫いだぬくもりを

忘れずに生きる



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心の巣

戸惑う僕を見て

きみは勝ち誇ったように笑っていた

振り回されたように見えましたか

途方に暮れる僕と映りましたか


たしかに演技するほどの余裕はなかったさ

かといってお先真っ暗でもなかったさ

暗闇の中でも見る術を知っていた

黒の中の真っ黒を識別していた


強がるきみは翼を失くした鳥だ

作り笑顔はそのまま鏡には映らない

窓の外の雨が涙に化ける

その滴を指先で受け止めよう


結局僕は動かなかった

じっとじっと待っていたんだ

還るべきものは必ず還る

そこが心の巣だから26.4.11-1.jpg

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言葉

言葉にしなきゃ伝わらない

言葉にしても伝わらない

言葉の限界

言葉の無力

でもやっぱり

言葉にしなきゃ伝わらない

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振り向けば

走り疲れて歩き出した

歩き疲れて立ち止まった

振り向き辿る足跡に

墓標のようにきみが立っていた

笑っておくれ

話しかけておくれ

肩を叩いておくれ

僕は

杖のいる老人になったようだ26.4.1-1.jpg

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