戸惑う僕を見て
きみは勝ち誇ったように笑っていた
振り回されたように見えましたか
途方に暮れる僕と映りましたか
たしかに演技するほどの余裕はなかったさ
かといってお先真っ暗でもなかったさ
暗闇の中でも見る術を知っていた
黒の中の真っ黒を識別していた
強がるきみは翼を失くした鳥だ
作り笑顔はそのまま鏡には映らない
窓の外の雨が涙に化ける
その滴を指先で受け止めよう
結局僕は動かなかった
じっとじっと待っていたんだ
還るべきものは必ず還る
そこが心の巣だから
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わたなべあきお | - | -