雨に濡れて。
独り。
石がゐる。
億年を蔵して。
にぶいひかりの。
もやのなかに。
(草野 心平)
読点が醸し出す<妙><奥深さ>
実家に立ち寄ったとき、玄関にこの詩の額が掲げられていた。
力強く、どこか寂しく・・・父らしい筆遣いの詩だった。
その時、僕は中学一年の国語の授業のとき
「わたなべ、読んでみろ」と言われて読んだ
同じく草野新平の詩を思い出す。
「瑞々しい欅の若葉を透いた光が・・・」
辛口の先生が、その時言ってくれた・・・
「なんとも<間>がいいな。五重丸だ!」
「放送部のアナウンサー担当だもんな」
僕は心の中で、大きく両の手を突き上げた。