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背景の記憶(269)

カラオケの前奏が始まったとき、僕はあなたの携帯番号にONして、

胸のポケットに入れた。そして歌い始めたその歌は、

あなたへの想いそのものだった。

何がそうさせたのか・・・

臆病者の僕にしては、大胆な行動だった。

いや、想いを歌に託したのは、やはり僕は臆病だったのかもしれない。

戦友・・・相棒・・・知己・・・

軽く浮かれたステージを超えた強烈な心の繋がりが、そうさせた。

眼には見えなくても

強く太いラインは厳然と目の前にある。

超える・・・超えない・・・その葛藤の中で

燃え尽きて・・・昇華して・・・

その結晶は純化する。

君は、今・・・何処にいて何を思っていますか?

僕は、今・・・亡霊のような想い出の中で

吸う息を貰い、明日のいのちを確認する。



そんな場面をいくつ数えた?


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posted by わたなべあきお | - | -

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