二十代前半、英会話の先生
教室での授業よりも、課外授業が濃密だった。
恥ずかしがり屋で消極的な僕を
大改造してくれたのが、この先生だ。

物心がついてから
「お父さん」と呼んだことがない
大きくなって
酒が入ると、たまに
「親父・・・」と呼んだ
逆に父も
「あきお」とは直接呼ばなかった
何かがその言葉を拒んでいたのかもしれない
<資格>のようなものだろうか
<喪失感>がそうさせていたのかもしれない
子供たちよりも
亡き妻に心が向いていたに違いない