京都へ出てきて夜学へ通いながら、昼間はD百貨店のバイトで
従業員や荷物用の手動式エレベーターの運転(?)をしていたころ
店の向かいに僕たちバイト仲間の溜まり場の喫茶店があった。
狭い階段を上がって行くちょっと薄暗い店で、おそらくは夜のスナック
がメインと思われる雰囲気だった。ママは厚化粧だったけど優しくて
コーヒー一杯で1時間以上もねばる僕らに、いやな顔ひとつしなかった。
片隅に今は懐かしいジュークボックスが置いてあって、ほとんどの連中が
ローリングストーンズやディープパープルといったあちらものにハマっていた。
そんな時だったんだなぁ・・・
拓郎の「結婚しようよ」が流れたのは・・・
鮮烈だった。
みんな何度も何度も繰り返し聴き惚れた。
それまでの重苦しい感じのフォークに、パッと光が射したような衝撃を受けた。
二月五日
苦しみや悲しみの多い人が、自分は神に愛されていると分った時、
すでに本格的に人生の軌道に乗ったものといってよい。
二月六日
自分に対して、心から理解しわかってくれる人が数人あれば、
一応この世の至楽というに値しよう。
二月七日
金の苦労によって人間は鍛えられる。
二月八日
人間は腰骨を立てることによって自己分裂を防ぎうる。