僕がこうして生きているからと言って
あの人もこうして生きているわけじゃない
まったく同じ人生観や価値観で生きてるわけじゃないことぐらい
分かっているつもりでも
どうしても同じレベルにおいてしまう自分がいる
これこそが
傲慢というものなのだろうか
「ファイト!」
君の声が場内に響き渡る
メンバーが「オー!」と男勝りの声をあげる
さすが!
キャプテンは君でなきゃ!
僕は応援席で拍手をする
両手が赤くなるほどに・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
君はバスケ部のキャプテン
僕はバスケ部男子の補欠
クラスに帰れば・・・
僕は委員長
君は副委員長
なんとも微妙かつアンバランスな関係
でも・・・僕は
そのアンバランスの中に
不思議な心地よさを覚えるのだった
<時>をキャッチせよ
その鈍い触覚ででも
空気を読め
その鈍い嗅覚ででも
掴めるはずだ
読めるはずだ
重ねた経験は無駄ではない
父は<歩く人>だった
実によく歩いた
「車で送ろうか?」と言っても
片手を挙げて「ノー」と意思表示した
麦わら帽子を被り、ゴム草履でスタスタと歩いた
まさに、スタスタ・・・と
少々遠い所へも、バスにも乗らずに
とにかく歩いた
今、僕はそのころの父の年齢を超えたが
とてもじゃないが、父の真似は出来ない
やはり、老化は足からやってくる
因みに、父は百歳まで生きた