僕は入学した
現実社会大学
本当の大学なら普通は四年で卒業だけど
僕は何年で卒業するんだろう
実は分かっているんだよ
ずっと留年ってことをね
何が卒業の証なんだろう
だれがそれを認めるんだろう
僕は人生を凝縮して生きている
昨日が今日で
今日が明日になる
でも・・・でも・・・
巡り巡った円環は
その出発点さえを消し去ってしまう
僕は果てしない球体を
また今日も
違う軌道で彷徨っている
母の母はカタカナしか書けなかった
手紙を見たことがある
・・・けど五人の子を見事に育てた
父の母は字が書けなかった
手紙は見たことがない
・・・30キロ台の小さな体で十人もの子供を産んだ
その内四人は近隣へ養子に出された
カタカナだけの手紙には
心がストレートに込められている
漢字に勝る説得力がある
そう僕は感じた