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「私」という男の生涯

人間の存在する宇宙への意識がいかに拡大されても、数億光年遠くの宇宙の確たる存在を認知できることになっても、人間の生命の限りがそれで拡大されるわけでもありはしまい。人間の存在の意味や意識が膨張するわけもありはしまい。我々は宇宙時間総体に比べれば、まさに瞬間的な時間にすがって生きているのでしかあるまいに。

      石原慎太郎
 
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