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銀杏

歩き疲れて 歩調をゆるめれば

脚もとの銀杏の葉が 笑って見える

一枚を掌に乗せ そっと包み込む

歌っておくれ 愛の歌を

踊っておくれ 恋の舞を

そうか

お相手が必要か

もう一枚を 拾いましょう

posted by わたなべあきお | - | -

悪夢

暗闇の中で

僕は落下を始めた

不思議と恐怖心はなかった

地面なのか海面なのか

それらしき場所が近づいたとき

僕は意識を失った


夢現というやつなのか

どこまでが実で

どこからが夢なのか

混沌とした設定に

僕は戸惑いながら

自分の体と心を確認した


母親の胸に抱かれて見る夢に

猫や狸があらわれて

幼子には鬼や化け物のように

恐ろしかった

しがみつく指先の温もりと柔らかさが

唯一の命綱だった


同じ夢を

どこで見るかで

その衝撃や恐怖は

安楽の境地にも変化する

僕を取り巻く猫や狸は

いつの間にか

ウサギやリスにすりかわっていた

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posted by わたなべあきお | - | -

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