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柱時計

     柱時計

  見なくなりました

  柱時計

  長針と短針と

  左右のネジを巻きました

  振子の調節も微妙でした

  背が届かないから

  踏み台に乗ってやりました

  デジタル化時代には

  もう骨董品でしょう

  でも…

  あの…ボン ボン ボンの響きが

  遠い昔へ連れていってくれます

  ボンボン時計とも言ったような…

  優しい声の目覚まし役でした

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posted by わたなべあきお | - | -

おかあさん

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       【いわさきちひろ】


……………………………………………………………………………………………………………………

      泣き真似をして
      母を待っ
      それでも叶わないと
      本泣きになる
      そこでやっと
      母が来る

      その心のすべてを
      母は知っている
      知っているのに
      知らんぷりをする
       
      

posted by わたなべあきお | - | -

自爆

     自爆


  自爆する

  自死ではありません

  何が吹き飛ぶが分かりません

  断わっておきます

  影響部は己自身止まりです

  僕自身の内奥爆発です

  そして…また…

破片集めを始めるのでしょう

  終わりのない
  
  囚人のような作業です

posted by わたなべあきお | - | -

悲しい時には

    悲しい時には

 悲しい時には
 台所で
 玉ネギを切って ごまかした人

 うれしい時には
 庭に出て
 体操をして ごまかした人

 そのごまかしの
 なつかしさ

 わたしも台所に行って
 玉ネギをまな板にのせましょうか

      【サトウハチロー】



  
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旅立ち

♪私の瞳がぬれているのは
 涙なんかじゃないわ 泣いたりしない
 
 この日がいつか来ることなんて
 二人が出会った時に 知っていたはず

 私の事などもう気にしないで
 貴方は貴方の道を 歩いてほしい

 さよなら言わずに 笑ってみるわ
 貴方の旅立ちだもの 泣いたりしない

 言葉はいらない 笑顔を見せて
 心の中の貴方は いつもやさしい

 私は泣かない だって貴方の
 貴方の思い出だけは 消えたりしない

 私の瞳がぬれているのは…
……………………………………………………………………………………………………

「22歳の別れ」と一緒で、類似した体験がある。

どちらも女性の側の心境ではあるが…

後に思えば、心の中は言葉とは真逆であり、

全部とは言わないまでも、揺れ動く心の現れと受け止めるべきだった。

この分野での…たら、…れば、は禁句中の禁句だ。

起こってしまったことは、二度と取り戻せない。そして…

あの頃には二度と戻れない。

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一人の重さ

♪風よ運べよ遠い人へこの便り
二年目の夏 涙ともらい水
幸福の色は 陽に焼けた肌の色
唇に浮かんだ言葉は潮の味
出会いや別れに 慣れてはきたけど
一人の重さが 誰にも伝わらず
どこかに旅立てば ふり返りはしない
それでもこの町に 心をしずめたい
そうだ元気ですよと 答えたい

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酷暑の夏に…

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   母は石をひろう


  母は石をひろう
    石をならべる
    石につぶやく

  なんにもいわずに
  いうことを聞いているのが
  気に入っているらしい


     【サトウハチロー】

……………………………………………………………………………………

  究極の趣味は「石」であるらしい

  とんな小径もアスファルト化されて

  砂利道など、ほとんど無くなってしまった

  昔が懐かしい

  故郷が恋しい
    

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声なき声

    声なき声

   声なき声は 届かない 

   残念至極

   声なき声は 抹殺される

   痛恨の極み

   届くのは 同類の仲間のみ

   音叉の如し

   あばら家のなかに 光を見る

   心の灯火

   ボロ着のなかに 明日を信じる

   確信の眼差し 

………………………………………………………………………………………

  政治は何を見ているのだろう?

  誰を見ているのだろう?

  駅の伝言板に

  声にならない声を文字化してくれないかい

     

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長い手紙を出せば

   
   長い手紙を出せば

 
   長い手紙を出せば
   甘えてるようにみえる
   そこで便箋に 大きく
   "例のもの頼む"と書いた

   七字だけの手紙に
   封書はもったいないと返事がきた
   返事の返事はハガキに"諾"一字
   ---この諾が甘えているぞと俺を野次ってた


       【サトウハチロー】

   

posted by わたなべあきお | - | -

クォーターマン

上空斜め四十五度の目線

その視線先の男

どちらが本物の自分なのか

現実界を生きていながら

その自分が仮者のように思う

上空の男こそが本者と確信する

そしてそのまた遥か上空にいる母と

透明かつ清らかにして頑強な糸で結ばれていることを

確信する

母は決して手招きはしない

ただ優しく悲しげな眼差しを注ぐだけ

posted by わたなべあきお | - | -

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