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拒絶反応

置き去りにされた悲しみは

あなた方の胸には響かない

暗いバス停の前で

ひたすら帰りを待っていた

一台また一台と バスが通りすぎて行く

家に鍵がかかっていたわけではなかったけど

真っ暗で 食べ物もなくて…

わずか四才の僕には恐怖心が襲いかかって…

バス停の灯り下の方がまだ安心で…

当時の幼子に

新婚さんの戯れ事など分かろうはずもなく…

あの瞬間から

僕の拒絶反応は固まってしまったと思う

posted by わたなべあきお | - | -

人の見る夢

あなたは僕の心を知らない
知る由もまた無い
当然と言えば当然
何ら差し挟む余地も無い

でも、あなたは僕の裏返しのように思えてならない
素っ気なさの奥に
溢れる好奇心の眼を見つけた気がする
あらぬ方向を見ているようで
心の眼は此方を凝視している

互いの特有の視線が激しく交錯する
バチバチと音を立てて
そこに生まれる火花の中に
一本の煙草を差し出してみる
吸い込んで赤みを帯び始めた瞬間に
何処からか しかし確実に
消し去ることを目的とした風が吹き抜ける

その風元を確認しようと振り向いたとき
その主の姿はなく
ほのかな灯りを伴って
天へと昇って行った
人のみる夢と書いて儚いと読む

posted by わたなべあきお | - | -

或る人に捧げる私の弁証法

その人はまぶしい
私はひどく気を遣う

その人の得意な笑顔
一点の曇りもない爽やかな笑顔から
私は逆に
宇宙の寂寥を読み取る
まるで星座のような...

そうです
そしてまた
人知れぬ夜空の深淵に飛び交う
閃光のささやきを

posted by わたなべあきお | - | -

ただ一筋に

   この願いは…
   
   この祈りは…

   かならず あなたに 届く

   願い 祈り が 光の玉と化して

   あなたの病巣を焼き溶かす

   白く重いドアの向こうで闘っているあなたに

   必ず届く

   そう確信して…

   そう信じて…

   思いを光に合体させて一筋に飛んでいく
   
   ただ一筋に



Hydrangeas.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

憑依

人はいとも簡単に近づき

そしていとも簡単に去って行く

まともな挨拶もなしに…

自分こそが主体者であるとでも言うように…

名前も居所も履歴も

どこまてが真実か疑わしい

架空のなかに 空想のなかに 

本人とは違ったもう一人の自分を生み出し成長させ

冒険を試み、好き勝手に暴走させてみる

そして架空の側壁に激突、大破させ、事故死する

いや、事故死させてみる

そして離脱した霊魂のように

次の憑依体を求めて彷徨い歩く

posted by わたなべあきお | - | -

七字のうた


     よわねを はくな

     くよくよ するな

     なきごと いうな

     うしろを むくな


      【坂村 真民】

posted by わたなべあきお | - | -


  きみは きみのままであれ

  装う必要など 何もない

  そのままの きみがいい

  そのままの きみが好き

  同じ言葉を

  己にぶつけてみる

  恥ずかしさが 己の頬をぶつ

posted by わたなべあきお | - | -

無声映画

目を開けたまま、幻を見ていた。

「あなたはいつもどこか遠くを見ている」

過去の彼女たちの言葉がよみがえる。

それは習性というよりは、

魂に引っ張られる心のようなものだ。

そこに確かに存在するが、中身が飛んでいる。

自分の見ている世界が本物で、

自分を取り巻く世界の方が、その外側のような

錯覚に陥る。

隣で何やら叫ぶ言葉たちは、

全く耳には届かない。

無声映画のように……

posted by わたなべあきお | - | -

オアシス



    砂漠のような

    日常の中に

    小さなオアシスを見つける

    一木が

    ささやかな影をつくり

    その中にヒトリ

    身をあずける

    その一木こそが

    ア ナ タ

posted by わたなべあきお | - | -

永遠のまごころ

世間のざわめきの中に

得体の知れぬ孤独を感じ

自分一人がおいてけぼりを喰らったような

静寂極まりない六畳の一間

見たくもない文字の羅列に

それでもと老眼鏡をかけてみる

かなりの数の「ともだち」の中に

光る友を見つける

いや、逆か

僕はあなたに見つけられたのか

年令も環境も男女の別さえも超越した

魂の邂逅そして触れ合い

まるで永遠の恋人にでも会ったかのように

posted by わたなべあきお | - | -

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