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心の懸垂

肉体の懸垂よりも

心の懸垂はきつい

まだまだと思っていても

いきなり終焉を迎えるような深い谷を見せつけられる

肉体なら足が震えるとか鳥肌が立つとかあるだろうに

指先の痺れ感は

精神で言えば何だ?

混乱、呻き、錯乱、自暴自棄…

心の涙を何に例える?

五十度を超える焼酎か!

それほどの飛躍の方がその対価に相応しい

川向こうを僕とは逆方向に歩く集団がいる

表情までは読み切れないが、足取りは重く鈍い

彼らに僕の足取りはどう写っているのだろう?

妥協を拒む精神の擁壁

兵糧攻めの残忍さ苛酷さ

顔を覆った両手の指の隙間から

眩しくも優しい光を見いだしたのは何時のこと?

やはりそうでしたか

やはり貴女でしたか

お母さん

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ドギマギ

思わず間近に接する時が来て
僕はいささか緊張したのでした
ふと見ると…
あなたの鼻の入り口に
いわゆるハナクソが付いていたのですが
それはクソというには程遠い
可愛らしい点のようなものだったのですが
僕は少々ためらってしまったのでした
口元に付いたご飯粒なら
そっと取ってあげられたかもしれない
そしてそれを口にさえ入れられたかもしれない
このかすかな戸惑いが
何を意味するのか
他愛ない言葉のやりとりとは裏腹に
僕はドギマギとした心で
やりすごしたのでした

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いちずに

♪そこにあるから おいかけて 
 行けば はかない 逃げ水の
 それが しあわせ あるよでなくて
 だけど 夢見る 願かける
 花のように 鳥のように
 世の中に 生まれたら いちずに
 あるがままの 生き方が
 しあわせに近い

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♪涙こぼしても
 汗にまみれた笑顔の中じゃ
 誰も気付いてはくれない
 だからあなたの涙を僕は知らない

 絶やすこと無く
 僕の心に灯されていた
 優しい明かりは あなたがくれた
 理由なき愛のあかし

 柔らかな日だまりが包む背中に
 ポツリ話しかけながら
 いつかこんな日が來る事も
 きっときっときっと
 わかっていたはずなのに

 消えそうに咲きそうな蕾が
 今年も僕を待っている
 掌じゃ掴めない
 風に踊る花びら
 立ち止まる肩にヒラリ
 上手に乗せて笑って見せた
 あなたを思い出す一人
 ・・・・・・・・・・・・・・・


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冬の散歩道

霙になりそうな冷たい雨の中を
僕は傘もささずに歩いていた

はるか北山の樹々は
うっすらと雪化粧している
もうすぐそこへ行くよとでも言うように

常緑の葉を雪化粧に代え鋏さ色の風が舞う
はやくお家へ帰りなさいよと
急かすように

寒風の中では寒すぎる格好の老婆が
アスファルトにへばりついた落葉を
懸命に素手でつかみ取ろうとしている

僕がやりましょう
金鋏を持った僕は
淡々と濡れ落ち葉を掴み取る
それはそれでキリのない行為なのだが
そうせずにはおれないほどの
老婆の腰の曲がり具合なのだ

齢の主は
その速度を緩めようとはしない
むしろ鞭打つようにテンポを速める

老婆とは言うが
僕とそんなに歳の差はない
なんだ?この距離感は?





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かほり

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流れる雲の移り気のように

人の心もまた流れては消え流れては消え・・・するのだろうか

いつまでも忘れないと誓った心の約束は、あっけなくも消え去った

・・・かのように思えるくらい、音信の途絶えは久しく長い

♪わたし待つわ いつまでも待つわ・・・

場違いな歌詞が思い浮かぶ

飾り気も失せたこの世代の狭間に

一輪の花の香りを蘇らせてみたい

繰り返し繰り返し思う

あなたとは幾度か昔の遠い時代にめぐり逢いましたね

夫婦だったのでしょうか?

兄妹だったのでしょうあ?

それともやはり・・・

恋人同士だったのでしょうか?

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つぼみ

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あの頃のあなたの顔も名前も知らない。

憶えているのは<華音>さん。

実写的詩作というよりは、空想的妄想的ものだった。

でも・・・

そこに広がる世界は、どこまでも澄み切って爽やかだった。

その名残を消さないように・・・

持ち続けようとして、僕は今を生きているのかもしれない。

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風にまかせて

空を飛ぶ

風にまかせて 空を飛ぶ

地上からの斜め45度を 悠然と

眼下の喧騒や薄汚さは

ここまではとどかない

みんな 此処へ来て見てごらん

あほらししさに

くだらなさに

うすぎたなさに

すべてに さよならしよう

風にまかせて

どこまでも 飛んでゆこう

いつまでも 飛んでいよう

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僕はあなたに恩返しをしなければなりません

そうしなければ罰が当たります

恩知らずのレッテルが貼られます

犬畜生でも鳥でも恩は忘れません

哀しいかな・・・人間は畜生以下です

恩を仇で返します

返さずに平気の面をしています

僕はそこまでは落ちぶれてはいません

きちんと、きちんと

お返しいたします

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