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未完の母恋歌

     未完の母恋歌

  朔風吹き巻く牧場のなかに
  あなたを

  裳裾翻り

  幼児のわたしは
  転んでは駆け
  また 転んでは駆け

  振り向くその両腕は
  青空を背にした 扇の如く

 
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置き去り

置き去りにされた寂しさ悲しさは
自分の中に奥深くしまいおき
誰かさんの所為とは決して言いますまい

その事実の裏側に
主体たるあなた方の心の比重を感じ取った時
諦観でもなく悲嘆でもなく
ただ心の向け処を変えようと
思った五歳の小さな心

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   静かな雨であれ

   しとしと雨であれ

   そぼふる雨であれ

   叩きつけず

   押し流さず

   草木に染み入るような

   心さえ潤すような

   優しい雨であれ

   慈しみの雨であれ


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独り


「一人」ではない 

「独り」だ

孤独に徹する

何かが見えてくる


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夏休み

♪麦わら帽子は もうきえた
たんぼのかえるは もうきえた
それでも待ってる 夏休み
姉さん先生 もういない
きれいな先生 もういない
それでも待ってる 夏休み

絵日記つけてた 夏休み
花火を買ってた 夏休み
指おり待ってた 夏休み
畑のとんぼは どこ行った
あの時 逃がしてあげたのに
ひとりで待ってた 夏休み
西瓜を食べてた 夏休み
水まきしたっけ 夏休み
ひまわり 夕立 せみの声

…………………………………………………………………………………………
半ズボン ランニングシャツ 野球帽

靴下はかないズック姿

セミ取り トンボ釣り メダカすくい

毎朝あった ラジオ体操

怖い 女先生

真面目に通った ユネスコ教室

詩集を気取った 絵日記帳


小学生時代の夏休みはホントに長かった 

四十日位あったのでは?

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転落か再生か

   転落か再生か

   それは誰にも分からない

   当人が どう捉えるか であり

   われわれ第三者が論じることではない

   しかし……できるなら……

   後者であって欲しい

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夏の夜の夢

    夏の夜の夢


  狂想が終わり

  静寂が甦る

  どちらがホンモノなのか?

  おそらく……

  両方とも……なんだろう

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二十歳の生意気

    二十歳の生意気


あなたは

「結婚」という(言葉と儀式)で結ばれた

「ホンモノ」を置き去りにして……
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日捲りカレンダー

  日捲りカレンダー

  なんとも言えない味がある

  今日という日への お別れ

  新しい明日への 希望

  二枚重ねて破った 後悔

  一日 損したようで…

  月カレンダーに✕をつけるより

  潔い



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たどり着いたら…

♪疲れ果てている事は
 誰にも隠せはしないだらう
 ところが俺らは何の為に
 こんなに疲れてしまったのか

 今日という日が
 そんなにも大きな
 一日とは思わないが
 それでもやっぱり考えてしまう
 あゝこのけだるさは何だ

 いつかはどこかは落ち着こうと
 心の置場を捜すだけ
 たどり着いたらいつも雨降り
 そんな事のくり返し

 やっとこれで俺らの旅も
 終わったのかた思ったら
 いつものことではあるけれど
 あゝここもやっぱりどしゃ降りさ

 心の中で傘をさして
 裸足で歩いている自分が見える
 人の言葉が
 右の耳から左の耳へと通りすぎる
 それ程頭の中はからっぽになっちまってる
 今日は何故か穏やかで
 知らん顔してる自分が見える
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