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猛禽

「法律に触れるという意味じゃそうだがな」
照明の落とす影が、猛禽のような義父の目鼻立ちを一段と鋭く見せていた。それでいて、義父はとてもくつろいでいるように見えた。とても親しく見えた。
 一瞬、私はぞっとした。
 義父の表情は語っていた。法に触れこそしないものの、私はもっともっと凄いことをやってきたよ。裏切りも企みも、駆け引きも暗闘も、収奪も秘匿も。
 人間はそういうものだ。必要に迫られれば何でもやるんだ。義父はひとかけらの粉飾もなく、私にそう言っているのだ。問題は、それを背負っていかれるかどうかだけだ、と。

             「誰か somebody」(宮部みゆき)

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僕は思った・・・

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夜と朝の間に

オリオンはブルーグレーの中に消え

半月は顔色を白く変え

明星は徐々にその輝きを失ってゆく

東の山の稜線がバックライトに浮かび

わずかな雲もやがてオレンジに染まる

夜と朝の交代劇

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リズミカル

コツ コツ コツ

自分の靴音を耳に刻む

革靴ならではの感覚だ

コツ コツ コツ

緩やかな坂道に

靴音だけが響く

眠りを覚まされたとでもいうように

大型犬が起き上がって

ワン!とエコーのような一声を上げた

僕だよ 僕

そんな意味合いで僕はまた

コツ コツ コツと リズミカルに歩く

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決闘

自分の中で

自分と自分が闘う

右と左

上と下

白と黒

どちらも強い

どちらも負けない

自分の中に第三者はいない

二人で決するのみ


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さりげなくシンプルに

過去の記事を見て思ったんだ。

ここのところの記事内容は「暗いよなぁ〜」って。

今の自分のありのままを書かなくてどうする・・・もあるけど、

比率は低くても、もっと明るく跳ねる自分を取り戻さなくちゃいけないな。

「旧なべちゃんエッセー」読み直した。

10年以上前・・・あんなこと考えてたんだな〜。

年のせいにしちゃいけないな。

景気や世間的なことに振り回されてちゃいけないな。

モットーが消えかかっている。

<さりげなく><シンプルに>

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レッドカード

ほんのちょっとした時間のずれが

とてつもなく大きな溝を生んだ

疑念や詮索を超えて

突き当りの右か左の選択肢

どちらを答えたって

君の手にはレッドカードが握られている

多弁な言い訳も無言の沈黙も許されず

僕は途方に暮れた

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「時代おくれ」

♪一日二杯の酒を飲み
 肴は特にこだわらず
 マイクが来たなら微笑んで
 十八番をひとつ歌うだけ
 妻には涙を見せないで
 子供に愚痴を聞かせずに
 男の嘆きはほろ酔いで
 酒場の隅に置いて行く
 目立たぬようにはしゃがぬように
 似合わぬことは無理をせず
 ひとの心を見つめ続ける
 時代おくれの男になりたい

 不器用だけれどしらけずに
 純粋だけど野暮じゃなく
 上手なお酒を飲みながら
 一年一度酔っぱらう
 昔の友には優しくて
 変わらぬ友と信じ込み
 あれこれ仕事もあるくせに
 自分のことは後にする
 ねたまぬようにあせらぬように
 飾った世界に流されず
 好きな誰かを想い続ける
 時代おくれの男になりたい

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世捨て人

今読んでいる本の中に、ハッとする文言を見つけて驚く。

<世捨て人>

僕は二十歳のころ、叔父の依頼に乗って、離島での港湾建設の仕事の手伝いをしていた。
従業員のほとんどが出稼ぎ労働者で、その人たちを束ねるのが役目だった。
今なら犯罪ものだろうが(いや当時でもチャンとした犯罪か)、無免許で小型船やダンプを運転したり、潜水夫の命綱を握ったりしていた。
飯場では鹿児島出身の人たちの影響で、焼酎をしこたま呑んだ。父親のような世代の人たちに「アキちゃん、アキちゃん」と可愛がられた。
そんな賑わいの中から抜けて、夜中に波止場に熱転がって、星空を眺めるのが常だった。
そんな僕にある日叔父が、酔っていたせいもあるのだろう・・・「お前は、世捨て人みたいなやっちゃなぁ〜」と呟いた。(若干二十歳の人間に世捨て人か・・・)不思議と反感は覚えなかった。言い当てていたからかもしれない。そうなんだ、あのころ僕はもう、ある部分で達観していたところがあったんだ。母親のいない現世なんて・・・」と。

そして・・・27.9.28-3.jpg

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独りぼっち

今しかできないなぁ〜という夢がある

そう思いながら五年は経っただろうか

キャンピングカーとまではいかなくても

車中で寝られる大きめのワゴン車でいい

お世話になったあの人に

懐かしいあの人に

あの人にも、あの人にも

逢いに行こうと思ったいるのだ

葬式ではだめなんだ

生きてる間に行かなくちゃ

飲んで・・・飲んで・・・

語り・・・歌い・・・懺悔する

あのひとはもういない

あのひとももういない

みんなが僕を

独りぼっちにしてしまう

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でも・・・

食べるものがなくても
着るものがなくても
それが辛いとは思わない
舐め味噌で空腹を紛らわし
ジーパン一本と寝袋で
生きてきた人生だから
そんなことではへこたれない

なにが辛いって
家族を守れなくなることほど
辛いことはない
自分一人の事なら
何とだってなる
何だって我慢できる

でも・・・
でも・・・


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