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背景の記憶(287)

本土から遠く離れた小島の磯辺

小舟の縁に腰掛けて

満天の星空を見上げた

言葉を失うくらい・・・

壮大な宇宙の絵巻物に圧倒された

手を握り

肩を寄せ合い

そのまま星空に吸い込まれるような・・・

あのころが幸せの絶頂だったのかな

悲しい別離なんて

これっぽっちも思わなかった

不甲斐ない、決断力のない、意気地なしの僕

明るく軽やかに、グイグイと引っ張る君

あのまま付いて行けばよかったのかな・・・

「どうして、そんなに苦しい方へ苦しい方へ行くの?」

明確に答えるだけの根拠が見出せなかった

ただ・・・

ただ・・・

男としての変なプライドみたいなものが

目の前の温もりを、優しさを遠ざけて行った



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posted by わたなべあきお | - | -

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