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背景の記憶(254)

母が亡くなってから一年後、父は隠岐島を離れて、本土・松江へ出た。

住まいは母方の祖母と叔父夫婦の家に間借りした。

この時、兄や姉も一緒だったのかどうか記憶にない。僕は四歳前だ。

父は一畑電鉄の北松江駅から二つか三つ西の長江小学校へ赴任した。

父が出勤するとき、寂しかったのだろう・・・僕は父を追いかけて二キロほど

泣きながら走った。

駅の手前で気づいた父は、何とか僕を返そうとしたが、泣き止まず座り込んで

しまったので、仕方なく僕を連れて出勤した。

今では考えられないことだが、時代もあり田舎でもあり、僕は職員室で

その日を過ごした。どの先生も優しかった記憶がある。29.11.7-1.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

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