約束の場所の交差点は、多くの人々でごった返していた。
街灯の柱に寄っかるようにしていた君は、鮮やかな赤いタータンチェックのスカー
トを身に着けていた。
一瞬、周りがモノクロに変わり、赤いチェック柄が浮かび上がって見えた。
いつもはほとんど黒系統のファッションの君だから、余計にそう見えたのかもしれ
ない。
ストップモーションの風景が、せわしなく動き始め、僕は信号を渡り、素早く腕を
組んだ。
君を誰かに奪い去られないように・・・とでも言うように。
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