悲嘆の先にあるものを見つけに行こう
目の前の野山は永遠に続くわけじゃない
登って・・・下りて・・・
登って・・・下りて・・・
晩の泊りの岩陰で
あなたに出逢った夢を見た
あなたは病に臥せっていたのだろうか
声をかけるには躊躇した
遠い山端の薄明りの中に
あなたの寝顔は消えて行った
♪just like a boy・・・
♪痩せこけた頬のままで・・・
思わず浮かんだ歌詞とともに
僕は立ち上がり、歩き始めた
誰も 独りじゃない
どんなに滅入っても 立ち直れる
絶望の淵からでも・・・
あなたも 独りじゃない
だから
僕も
独りじゃない
極まれば 光が見える
瞑目の中に 光明が射しこむ
こころ・・・静態にして
心眼・・・鋭く
黄、紅の絨毯の上で
僕は・・・
心地よく疲れた体を横たえる
あなたは、いつだって夜に訪れる
しかも、真夜中に
時に、明け方に
それでも、僕はいいんだよ
僕の受け入れ態勢は万全だからね
僕の願望が届いた証なのか
あなたの願望の結果なのか
それはどちらだっていいんだよ
逢えることに変わりはないんだからね
発する言葉はただひとつ
あ・り・が・と・う
あなたに逢いに行きましょう
愛の翼を翻して
あなたに逢いに行きましょう
想い出の箱を抱いて
あなたに逢いに行きましょう
変わらぬ愛を瞳に潤ませて
山奥深く 閉じこもるでない
仙人が如くに 生きるでない
市井の只中に 身を投じよ
人混みに 揉まれて生きよ
そして
一人のための 光と成れ
あなたの 寂しげな横の顔
あなたの ふさぎ込んだ眉の線
あなたの 見つめる空の雲
あなたの 握りしめたハンカチーフ
声をかけようとしたけれど・・・
あまりの深刻さに躊躇した
せめて やさしく
肩を トントンしましょうか
別離は、一つの喪失であるが
再生への一歩でもある
別離は、悲しみの泪を伴うが
次なる歓びへの潤滑油でもある
誰を恨むことがあろう
誰を批判することがあろう
再出発と成長と飛躍への
貴重なかけがえのない存在ではないか