安心しいるということは、
能天気に油断しているというのとはまったく違う。
物事にかしこく対処し、注意をはらい、
生きることに努力しながら、しかも根底では
安心している・・・。
そういう人間であろうと絶えず己に言い聞かせることだ。
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「正しいやり方を繰り返しなさい」
正しいやり方は、最初は難しいし、
何度繰り返しても身につきにくい。
だからいつのまにか、正しくないやり方へと
逃げてしまう。
だが、あきらめず、ひたすら繰り返していれば
いつか難なくそれができるようになる・・・」
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「草原の椅子」(宮本 輝)
やると決めたことは、倦まず弛まずやりつづける。
たとえ進み方がカタツムリのよりも遅いほどであろうとも、
生きているかぎりやめようとしない。
目くじらを立てることもなく、鼻息を荒くすることもなく、
決意を声高に語ることもなく、やると決めたことを
途中でやめたりはしない・・・。
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ありとあらゆる人間が、
ふるいにかけられているんじゃないかって気がするよ。
人間だけでなく、国というものも。
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「やっかみ深い民族だよ。
なにかっていうと他人のことに干渉しやがる。
そのくせ自分が干渉されると
自分の間違った考えや行ないを棚に上げて
逆恨みするんだ。」
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「草原の椅子」(宮本 輝)
話してみれば、僕とそんなに年齢は変わらないのだが
ぱっと見には老夫婦に見えた。
鉄板ホーローの浴槽は、表面のホーローがあちこち剥げ落ちて
地の鉄部分が露出してしまって、錆が出ている末期症状だった。
風呂のリフォーム依頼かと思いきや、湯船の水が漏れるので
何とかしてほしい・・・だった。
僕はホームセンターへ走った。
適合するサイズの排水栓を見つけて引き返した。
980円也。
こんな仕事もある。
そう言えば・・・昨日は強制執行された家の修繕工事依頼だった。
元住人は生活保護を受けているお婆さんと聞いた。
時代は、あちこちにこんな影を映し出している。