繁華街の人混みの中で
まるでズームアップ映像のように
君は現れた
僕は殊更レンズを覗いていたわけでもないが
まるでプロのカメラマンのシャッターチャンスのように
見事に周りはぼやけて撮られ
君だけがその中に浮かび上がっていた
顔を上げた瞬間
君はもうそこには居なくて
歩く先を追いかけてはみたが
やはりあの素敵なロングヘアーは見つからなかった
あきらめに肩を押されたと思ったら
君は僕の真後ろにいて
不思議な笑顔を向けていた
首を傾げて、腕組みをして見つめる瞳の中に
僕は吸い込まれるような衝撃を受けた