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背景の記憶(253)

真新しい家は

確かに存在していた

だが

そこに家庭は無かった

父の建てた家に

呼ばれた僕は

お客様の様に

叔父のカメラの前に立っている

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posted by わたなべあきお | - | -

心の交わり

あなたの電話の声に
微かな憂いを感じて
安心してしまう僕は
どうしたものでしょう

あなたのメールの中に
文字とは裏腹の心を発見して
安心してしまう僕は
どうしたものでしょう

人待ちのあなたの後ろ姿に
幽かな淋しさを感じて
安心してしまう僕は
どうしたものでしょう

横に座ったあなたの瞳が
涙で潤んでいるのを見て
安心してしまう僕は
どうしたものでしょう

それは・・・
やはり・・・
僕が同じ想いでいるからでしょう
これこそが
言葉の要らない
心の交わりではないでしょうか




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殊更にゆっくりと歩いてみる

一歩一歩を踏みしめて

心の波がアスファルトに

目には見えない足跡を残す

顔を上げて空を見る

微かな希が届くのか

雲が君の笑顔に見える

差し伸べようとする両の手を

雀の群れが遮断する

後ろポケットに突っ込んで

坂道をちょっと速足になる

すると、どんどん現実に引き戻されてゆく

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posted by わたなべあきお | - | -

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