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背景の記憶(249)

これはずいぶんと後になって分かったことなんだが・・・

S先生は、姓が<柴田>で、旦那はなんと!当時超有名なロックバンド「村八分」

のヴォーカルだった。彼がアメリカを放浪していたころ知り合ったみたいだ。

当然ながら田舎者の僕には無縁の世界だったのだが、恰好だけはヒッピーまがいで

ローリングストーンズにかぶれていたのだから、知っていてもよさそうなものなの

だが、アンダーな世界だったのだろう・・・まったく知らなかった。

それに彼女もまったくそのことは言わなかったし・・・。

加えて・・・フォークへ移行する端境期でもあって、すれ違いのような世界だっ

た。

ギャップが織り成す人生模様

ひとは何処で誰に逢うかわからない。

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背景の記憶(248)

S先生はミセスとはいえ、僕と同世代だったわけなのだが

田舎出のぼんくらには、はるかに年上に見えた。

でも逆にアメリカ人の先生には、純粋無垢な青年と映ったのかもしれない。

肝心の英会話以外でも、たくさんのことを教えてもらった。

まさに手取り足取り・・・。

そこには、外国人そして女性という微妙なクッションがはたらいて

ちょっと危険な領域も、僕には鵜呑みに信じられる安心感があった。

それがまた、先生には意外であり新鮮であったのか・・・

急速に距離が縮まって行った。

スバル360でのドライブや、薄暗い喫茶店での課外授業や

プライベートルームでの微妙な関係や・・・

短期間ながら、なんと多くのことを学んだことだろう。

二十歳前の僕を知る人間からすれば、まさに別人と見えたことだろう。

一方先生は、日本的な原石を刻み磨く喜びを持ったのかもしれない。

今になって思えば・・・の話である。

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posted by わたなべあきお | - | -

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