どんなに素晴らしい話を聞いても 耳を聞き役にして、心に刻まず どんなに美しい場面を見ても ただ見ているだけで、心に染めず それはあたかも・・・ 百科事典を書棚に並べて 知識を得たると錯覚しているようなものだ
悲しみの壁に向かって 僕が投げたボールは 跳ね返ってくるどころか 突き抜けてしまって はるか奥深い闇の中へ 吸い込まれて行ってしまった それが何を意味するのか 僕は理解できずに立ち竦んでしまった やがて僕はあのボールが 落ちて行ったのではなくて 飛び続けているという確信に至った そして・・・ その行き先がどこであるのかも 薄ぼんやりと見当がついていた
Access: