死者はむしろ雄弁だ この世に生きる人たちよりも 母は誰にも増して 僕にブレーキをかけたし 精一杯の応援もしてくれた おかげで僕は 極端に曲がった道は歩かなかったし 少々の無理はしても無茶はしなかった もっとも皮肉的だったのは 母が男女の仲に割り込んできたことだろう 結果として受け止めれば 母の言葉が正しかった そしてその時 確かに僕は母の声を聴いたのだった まったく親心というものは 言葉には尽くせない
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