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たちあがれ

きみはそのままのきみであれ

なにもかえることはない

どこまでも

きみはそのままのきみであれ


ぼくはこのままのぼくではだめだ

こんていからかえなくてはならない

いつのひか

きみとならぶぼくじしんになりたい


くろいかげが

ぼくをむしするかのように

おいこしてゆく

ぼくのゆくてをさえぎり

ふりむいてかぜをふきつける

あたかも

まいりましたとひざまづけ

とでもいうように


たすけぶねはいりません

ぼうふうりんもいりません

たおされても

またたちあがるだけのことです

きみがそうしてきたように

またたちあがるだけのことです

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posted by わたなべあきお | - | -

おばちゃん

おばちゃんが面白い
外で仕事をしていると
気楽に話しかけてくる
「おはようさんどす」
「ごくろうさんどすな」
帰りには
「ちょっとイズミヤまで行ってきましてん」
「おきばりやす」

たぶん・・・
家では独りなんだろうと推察する
人恋しさ
孤独との闘い
そんな心理の裏返しかも

立派な門構えの続く家々で
それとは裏腹に
中にはうら悲しい空気が
充満しているのかもしれない

外へ出て
自分を確認する
誰でもいいから
言葉を発する
そうでもしないと
生きていることを
確信できないのかも知れない

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金と色

金と色の落とし穴

ドスン!と落ちなくても

蟻地獄のように

引きずり込まれて行くもの


金と色の誘惑

空中なら大丈夫と思っても

霞み網が待っている

蜘蛛の巣が狙ってる


そうか

悪鬼悪魔は

そうやって忍び寄るのか

善人ぶって

親切ぶって

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時の速さを感じないかい
幼いころも
今も
ホントは同じなんだけどね

昔の一日が
今の一か月くらいに感じる
幅広い未来と
先の短い明日との
そういう差なのかな

その溝を埋める
手立てはあるよ

充実度
密度
そういうところだね

遠くを見る目と
今を見る目との
微妙なバランス

そこに
時は
歩みを速めたり
のらりくらりしたりする

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心眼

きみたちには解るまい
  
日々打算に明け暮れる

きみたちには解るまい


理解せよとは思わない

理解してくれよとも頼まない

所詮

交わらない空間に

互いの心は住んでいるのだから


自分たちの最大限の経験から

速射砲は撃ち込まれる

白煙、黒煙、煙も見えず

それらに都度表情を変え

一喜一憂してみせる


僕は隠れない

僕は逃げない

弾が頬をかすめても

僕は動じない

逃げる姿勢もとらない

直立不動

一刀を握りしめ

心眼をかっと見開く



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泣き笑い

気を楽に持とう
そう思った矢先から
また考え込んでしまう
飛びぬけたと思ったのに
また振り出しに戻ってる

気を楽に持とう
暗い雲が湧かないように
シャットダウンを試みる
どこにそんな隙間があるの
グレーのミストに覆われる

気を楽に持とう
君の笑顔を思い出す
作り笑顔でもかまわないさ
両目の端を押し下げてみる
君は僕の心の中で泣いている

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別離

喪服のあなたは美しかった

不謹慎な想いだったかもしれないが

清楚ななかに

一種独特の輝きを放っていた

故人は還らない

しかし

あなたのなかに

たしかに生きておられる

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夕立

急に雲行きがおかしくなったので

僕は洗濯物を取り込みに

ベランダへ出たのです

そこに一匹のアブラゼミが

ひっくり返っていました

まだ生きているようだったので

僕はそっと取り上げ

樹のある方向へ逃がしてやりました

ところが

勢いよく羽ばたいたかと思ったら

隣の家のコンクリートのところに

またしても仰向けで落ちてしまいました

なんでまた・・・

僕は複雑な気持ちで

洗濯物を取り込みました

やがて

ザーっと大粒の雨が

風を伴って落ちて来ました

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遠雷

どこかでチリッと光ったような

僕はかすかな音として感じた

数秒後・・・

ゴロゴロ ゴロ ゴロ〜ン

雷神のお腹の

調子でも悪いような

なんとも情けないような音が

淀んだ空に

鈍く響いた

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言い聞かせ

夜中に降った雨が上がって  

む〜っとした湿気を含んだ空気が

からだに纏わりつく

早朝の坂道は人影も疎らで

雨を含んだアスファルト面が

まだら模様を形作っている


雨量が命を繫ぐほどでもなかったのか

相変わらず数匹のミミズが

路上で息絶えている

先の豪雨の激流が嘘のように

排水路はチョロチョロと物悲しい流れだ


元気な子供たちとも出くわさない

そうか夏休みだもんな

誰に言うわけでもなく呟いてみる


あれほど豪華に咲き誇った向日葵たちも

いまは色あせて寂しくうな垂れ

バトンタッチと言わんばかりに

紺色の朝顔が蔓のてっぺん辺りから咲き始めている


止まっているようでありながら

時は確実に刻まれて行く

自然の移り変わりと同じに

自分も刻一刻と

然るべきところに向かっているのだと

冷厳に言い聞かせる


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posted by わたなべあきお | - | -

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