<< 2024/11 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

防弾チョッキ

この歳になるとね

何もかも口にすることが

正直だとも

良いことだとも思わないんだよ

黙して語らず

これが被害者ゼロで済む

自分に飛んでくる弾丸は

甘んじて受けるさ

潔くも

恰好よくもないけどね

防弾チョッキなしだよ


28.7.22-1.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

立つ

言葉を立てて意気ってみても

かすかな風にさえ

吹き倒されてしまう

そんなものか

それだけのものか

いや こんなもんじゃなかったよな

もう一度だけ 立て直そう

基礎となるべき心の軟弱さが

何本もの杭を飲み込んで行く

28.7.18-1.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

緑の風

車の通る道からずれて

人や犬との出会いを避けて

細い人道を歩く

向日葵 葡萄 蜜柑 

それぞれの畑を左右に見て

ゆっくりと歩をはこぶ

僕が勝手につけた柿の木坂

その木陰が頂点だ

立ち止まり

緑の風を感じて深呼吸をする

もうすぐかな

蝉やトンボたちに逢えるのは28.7.15-.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

涙 池

不甲斐なさに 涙

意気地なさに 涙

心の中の 涙池

溜めて 溜めて 溜めて

堪え切る

落涙は許さず


浮かぶ小舟に

きみの笑顔を見た気がした



28.7.12-7.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

インサイダー

人柄は必ず見える

言葉に

顔に

雰囲気に


飾ったものは

剥がれ落ちる

借り物はすぐばれる


雄弁でなくても

理路整然としていなくても

自分の言葉で語ることだ

相手の目を直視して


ならば

伝わるものは

必ず相手に伝わる

28.7.12-1.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

一寸法師

時代という荒波に翻弄される木の葉舟

実はそこは海でもなく大河でもなく

小川に等しい流れなのだが・・・

まさしくCM的に言えば一寸法師だな

アスファルト上の蟻んこやミミズに目が行ったり

岩陰にポツンと咲く名も知らぬ花に心奪われるのは

単に年老いたせいだけではないだろう

昼間のお天道様は眩しすぎるから

せめて夜の星空を仰いで

うな垂れ慣れした首に刺激を与えてやろう

28.6.22-1.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

年輪

昨日や今日のことで

五年や十年のことで

その人の人生を語ることはできない

三十年、五十年・・・

その年輪がその人の人生を物語る

大らかな間隔

濃い密度の間隔

歪んだ線

滑らかな円

今この一瞬は

一つの点に過ぎない

28.6.15-1.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

きみも独りか

曲りなりにも

この世の浮き沈みを体験した人は

強い

我慢強い


28.6.14-1.jpg


きみも

独りか

posted by わたなべあきお | - | -

走馬灯

時間として十分眠っているのだけれど

夢の中が忙しい

目まぐるしいほどの展開

想定外の登場人物


今はのきわには

この世のことが走馬灯のように・・・

と聞くけれど

そんな感じかな


年をとったか

何かの知らせなのか

ストーリーが現実味を帯びていて

気味が悪いくらいだ28.6.10-3.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

現在・過去・未来

思い出は

美しすぎて

清らかで

透きとおっていて・・・


現実は

とげとげしくて

乱雑で

薄暗い靄のなか・・・


未来は

何色にもなるようで

落とし穴だらけのようで

闇が待ち構えている



28.6.11-2.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

▲page top