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カラス

どんよりとした曇り空の下

二羽のカラスが

テレビアンテナの上と電柱の天辺で

羽を休めている

何を考えているのか

獲物でも物色しているのか

もう半時間近く動こうとはしない


雨が落ちてきた

鳥の羽は防水だよな

それにしてもまったく動く気配はない

彼らの向こうの山が灰色と化し

稜線がぼやけてきた

雨音が聞こえるほどに

強く振り出してきた

彼らは?と思ったとき

一羽が飛んだ

誘われるようにもう一羽も

近くの造園屋さんの茂みの中へ消えて行った


それにしても

僕は何をしている?

雨音が疑問符の連続に聞こえてくる

もう・・・

山並は見えなくなってしまった


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posted by わたなべあきお | - | -

紙一重

ひとの心は 紙一重

良心と邪心

向上心と怠け心

50 対 50からの鬩ぎ合い

この際 100対0 も

0対100 もあり得ない

さあ ひとつでもふたつでも

越えて見せましょう

第六点の魔王の囁きに

のせられてはなりませぬ1.6.7-3.jpg

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あのときのまま

想い出は想い出として

そのまま、おいておきましょう

こころの奥底にしまっておきましょう

その空間に存在するあなたを

この現実に呼び戻せば

その結末はわかりきっているのです

あのときのまま・・・

あのときのまま・・・

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瞑目

目を瞑れば

他の感覚が研ぎ澄まされる

目視するときよりも鮮やかに

僕はまた今宵も

夢飛行を試みる

希望が

願望が

事もなく成就する31.4.4-2.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

蓮の花

二十歳の夏

「父よさらば 哀れな継母よさらば 兄よ 姉よ 義弟よ・・・」

と綴った僕は、何と傲慢だったのだろう

父の慟哭の涙も知らず

義母の辛苦も思いやらず

兄、姉の胸の痛みにも気づかず

義弟の罪の無さも省みず・・・



言い訳がましい気もするが

敢てそう言い放つことでしか

自分を叱咤する方法がみつからなかったんだ・・・きっと

行く当てもなく放り出された流れ星に似て

僕は宇宙を彷徨った

ぶつかる天空の塵の痛みは、殊の外激烈で

燃え尽きるまでの消滅を覚悟した

そして・・・確かに消えた・・・無くなった


愚かにも目覚めた時

僕は蓮の花の上に横たわっていた

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テレパシー

このS・O・Sは届くのか

心の波長のモールス信号

飛んで行け

あの人のハートに

直接手段は使わない

現代文明にはお世話にならない

清き精神感応

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腕組み

とことん追い詰めたって

命までは奪えんだろう

そんな落しどころを噛みしめて

僕は腕組みをしている

ハートの腕組みは

ちょっとやそっとじゃ

ほどけはしないさ30.10.1-1.jpg

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ありのまま

「捨てる神あれば拾う神あり」

一喜一憂しなさんな

そうなんだ

見る人は見ている

大袈裟じゃなくて

世の中・・・捨てたもんじゃない

諂わず

演技せず

ありのままに生きなさい30.9.27-3.jpg

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優劣

優越感が

チラチラと見え隠れする

親切心なんて

僕は信じないね

そう言えば

劣等感の塊り

と言い返すんだろう


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飛翔

雲が沸く

朝陽がその雲を赤く染めて行く

分厚い暗雲が光を遮る

その不気味な肉厚が何かを象徴して見える

この一瞬に

すべてが凝縮されている

白い雲は貴方か

黒い雲は君か

光は誰だ

太陽はどなただ

風よ吹け

あらゆる障壁を吹き飛ばせ

飛行機雲よ、君に頼もう

大空を真っ二つに切り刻め

僕は君に乗って

一直線に飛んで行こう

誰にも見えなくなるまで飛んで行こう30.8.30-3.jpg

posted by わたなべあきお | - | -

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