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そのままに

     みがかないと

     出ないつや

     みがきすぎると

     消えるつや


     これでもか

     これでもか

     という論理と


     そのままに

     そのままに

     という論理と


          (横田  武 先生)

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猛禽

「法律に触れるという意味じゃそうだがな」
照明の落とす影が、猛禽のような義父の目鼻立ちを一段と鋭く見せていた。それでいて、義父はとてもくつろいでいるように見えた。とても親しく見えた。
 一瞬、私はぞっとした。
 義父の表情は語っていた。法に触れこそしないものの、私はもっともっと凄いことをやってきたよ。裏切りも企みも、駆け引きも暗闘も、収奪も秘匿も。
 人間はそういうものだ。必要に迫られれば何でもやるんだ。義父はひとかけらの粉飾もなく、私にそう言っているのだ。問題は、それを背負っていかれるかどうかだけだ、と。

             「誰か somebody」(宮部みゆき)

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僕は思った・・・

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私は私自身でなければならぬ

「『民衆のために』といって社会主義者は動乱を起こすであろう。民衆は自分達のために起ってくれた人々と共に起って生死を共にするだろう。そして社会に一つの変革が来ったとき、ああその時民衆は果たして何を得るであろうか。
 指導者は権力を握るであろう。その権力によって新しい秩序を建てるであろう。そして民衆は再びその権力の奴隷とならなければならないのだ。然らば、革命とは何だ。それはただ一つの権力に代えるに他の権力をもってする事にすぎないではないか」


「たとえ私達が社会に理想を持てないとしても、私達自身の真の仕事というものがあり得ると考えたことだ。私達はただこれが真の仕事だと思うことにすればよい。それが、そういう仕事をすることが、私達自身の真の生活である。
 私はそれをしたい。それをすることによって、私達の生活が今ただちに私達と一緒にある。遠い彼方に理想の目標をおくようなものではない」


「自我は伸縮する。あるときは国家とか、または人類というところまで拡大され、またあるときはその自分一個の個体においてさえ、自他の対立を見るので、人間間におけるいわゆる社会的結合は、ただこの自我の伸縮性の上にのみ保たれている。」
                    (金子文子)

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矛盾

「芸術家は、矛盾する二つの考え方を抱き、両方を信ずる」


            (フィッツジェラルド)

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教材

『成功よりも失敗  勝利よりも敗北  順調よりも挫折・・・

 そこに素晴らしい教材がいっぱい詰まっている。』


      横浜高校野球部 前監督・渡辺氏


高校野球の解説の中での言葉・・・名監督だっただけに

言葉に重みがある。

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農業

   下農は 雑草を作る

   中農は 果実を作る

   上農は 土を作る

       (東井 義雄) 


佛教大学の掲示板に書かれていました。



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僕なりに言わせてもらえば・・・

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死 即 生

 「死」の徹見即「生」の全充実。「死」の絶壁にボールを投げつけ、

 そのはねかえる力を根源的エネルギーとし、日々を真剣に生き抜くべし。


                   森  信三

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3つの欠点

人間の3つの欠点は

差別・貧困・無知 である。

いずれも時には、命にかかわる。

差別は愛と優しさで、

貧困は共有で、

無知は教育で解決できる。



野心と復讐心は、人間を破壊する。

    (サイード ヌルシ)

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私信

「文化と書いて、それに文化(ハニカミ)というルビを振る事、大賛成。私は、優、という字を考えます。これは優(すぐ)れるという字で、優、良、可なんていうし、優勝なんていうけど、でも、もう一つ読み方があるでしょう?優(やさ)しい、とも読みます。そうして、この字をよく見ると、人偏に、憂うると書いています。人を憂える、人の淋しさ侘しさ、つらさに敏感な事、これが優しさであり、また人間として一番優れている事じゃないかしら。そうして、そんなやさしい人の表情は、いつでも含羞(はにかみ)であります。私は含羞で、われとわが身を食っています。酒でも飲まなきゃ、ものも言えません。そんなところに『文化』の本質があると私は思います。『文化』が、もしそれだとしたら、それは弱くて、敗けるものです。それでよいと思います。私は自身を、『滅亡の民』だと思っています。まけてほろびて、その呟きが、私たちの文学じゃないのかしらん。どうして人は、自分を『滅亡』だと言い切れないのかしらん。文学は、いつでも『平家物語』だと思います。わが身の出世なんて考えるやつは、馬鹿ですねえ。おちぶれるだけじゃないですか」

               河盛好蔵(太宰 治からの私信)

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孤独

(夏山と冬山との違いは寒さだけではない)
・・・・・寒さだけなら、寒くないような準備さえすればしのげるけれど、それ以外にあるとすれば・・・・それは孤独であった。夏山にはどこかに人がいた。小屋があった。鳥もいるし動物もいた。花も咲いていた。だが冬の山には人はいなかった。小鳥の啼き声も聞こえないし、草木も眠っていた。
 加藤は身ぶるいした。冬山の寒さは孤独からくるものではなかろうか。すると、冬山に勝つには孤独に勝たねばならない。
「おれは孤独に勝ってみせる」
加藤は震えながらそうつぶやいた。

                「孤高の人」(新田次郎)

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