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宝物

<コゼット、今こそお前のお母さんの名前を教えるときがきた。ファンチーヌというのだ。この名前、ファンチーヌを、よく覚えておきなさい。それを口に出すたびに、ひざまずくのだよ。あの人はひどく苦労した。お前をとても愛していた。お前が幸福の中で持っているものを、不幸の中で持っていたのだ>


             ビクトル・ユーゴー『レ・ミゼラブル』


・・・お前が幸福の中で持っているものを、不幸の中で持っていたのだ・・・

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贅沢な青春

 学生だったころ、私は、書店の文庫の棚の前で随分長い時間たっていた。その時間を合計すれば、何十日分にも相当しそうである。「あれを読もう」と最初から目星をつけて文庫本の並ぶ棚に歩み寄ったことは、ほとんどない。何を読もうかと背表紙を眺め、手に取り、書き出しの数行を読み、解説に目をとおし、ためらってためらって、別の文庫本に目を移す。そのときの、何を読もうかと迷う私の目は、おそらく青春時代における最も気概と熱気と冒険心に満ちたものであったろう。私という汚れた人間が、唯一、澄んだ目を輝かせる場所は、文庫本の棚の前であった。私は、それを思うと、貧しかった当時の、いろんないやな情景などどこかに押しやって、ああ、贅沢な青春だったなと感謝する。文庫本というものがなければ、私は世界の名作に触れることなく、何が真のミステリーであるかも知らず、何を人生の不思議言うのかも学ばず、猥雑な大人の群れに、よろよろと加わって行ったに違いない。(1986.7)

                          宮本  輝


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壱円

「一円を笑うものは、一円に泣く」



「ひとを笑えば、(いつか)自分が笑われる」



自分が笑い返してやろうと思っているわけではない。

将来いつの日か、会うことがあったなら

おそらくは・・・

そういう存在に堕しているであろう・・・という話。



そう思えば・・・

言葉も行いも、ちょっとは慎み深くなろうというもの。

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向き合うのではなく


横の関係でつながるのが


<和>だと考えている


          きたやまおさむ



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北山氏が・・・

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運命と言うのは

努力した人に

偶然という橋を架けてくれる




偶然とは

努力した人に

運命が与えてくれる橋です


          映画「猟奇的な彼女」29.6.14-1.jpg

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私の失敗

それまで・・・

彼女が気がかりだった

苦しんだ

そこへ、彼女が突然現れた

幸せそうだった

自分の行為に傷つかなかったと言えばウソになるが・・・

気が楽になった

吹っ切れた・・・

過去にとらわれず、歩き出せた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私の失敗は

彼女より

言葉を愛したことだ

           映画 「ザ ワーズ  盗まれた人生」

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自己中心主義

〇権力を持っている者は、とかく自己中心主義になりやすい。金を持っている者も

 同じ。つまり無力感の絶壁にぶっつけられた事が無いからです。

 これを職業別で言えば、弁護士、新聞記者、医者、教師等々。

 教師は父兄から一応立てられるのと、もう一つは、現実界のきびしさが

 分からぬからです。

森  信三


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A sound mind in ・・・

A sound mind in a sound body.

〇人間は心身相応的存在ゆえ、性根を確かなものにしようと思えば、

 まず体から押さえてかからねばならぬ。意識は瞬時に変転する故

 持続性を養うには、どうしても身体から押さえてかかる外ない。

 しかも体の中でいちばん動かぬところは、結局胴体であり、しかも

 その中心が腰骨である。それ故、二六時中この「腰骨を立てさす」

 以外に、主体的な人間をつくるキメ手はない。

                     森  信三



 



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腰骨を立てる

〇いやしくも、この世に生をうけた以上、それぞれの「分」に応じて一つの

 「心願」を抱き、最後のひと呼吸まで、それを貫かねばならぬ。それには、

 朝起きてから夜ねるまで、極力「腰骨」を立てつづける。これがわれわれ

 人間にとって性根を入れる極秘伝。


〇腰骨を立てるには次の三段階を心して。

 第一、尻を思い切り後ろにつき出すこと。

 第二、反対に腰骨をウンと前へ突き出す。

 第三、下腹に心もち力を入れると肩のキバリがスキッととれる。

 そして、二六時中こうしていないと、気分がダラケて気色が悪いと

 思うようになればまずまずという処。

           「不尽片言」  森 信三 述  寺田清一 筆録


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素顔

「きみは素顔のままのほうがいい」

あまり近寄り過ぎたので、彼の暖かい息がふわりと私の頬にあたったほどだった。

彼は私の唇を人さし指で指し示しながら、私の顔を間近で覗き込んだ。

「今つけている口紅は、きみにはあまり似合わない。それに白粉をつけるのも

やめたほうがいいな。きみは自分を飾りたてたりしないほうが、ずっといい。

きみはもともとチャーミングなんだし、ありのままでいたほうが素敵だ」


                 「柩の中の猫」 小池真理子


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大方は・・・

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